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ビルマの夜明け バー・モウ(元ビルマ国家元首)

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この本は戦時中ビルマが初めて独立した際に国家元首に就任した著者の自伝

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ビルマの状況は、ほぼ私がいまここに述べたような状況に酷似していた。
ーー中略ーー
外国人による搾取は、上層から下層まで、あらゆる方面で暴虐さを加えていた。
巨大なイギリス企業は上等の部分をすべて独占し、
インド人と中国人の商人たちがそれにつづいて中級の部分をほとんど手に入れ、
最後に残ったものの良い所はインド人の事務員や苦力(クーリー)が掠め取った。

ビルマ人は、本来正当にビルマ人のものであるべき職業のほとんどから切り捨てられ押しのけられていった。

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ビルマにおける古代の言い習わし
「魚をめがけてヒンタ鳥が舞い降りる。
ヒンタ鳥は狩人に撃たれる。
狩人は傘棒で打たれ、傘棒は稲妻に砕かれる。」

これを当時のビルマ人は次のように解釈した
アヴァの旧王朝はタライン族に滅ぼされ、
タライン族はビルマ人の征服者アラウンバヤに、アラウンバヤの王朝は英国に、
そして英国は南東から稲妻のように襲いかかる日本に、
それぞれ滅ぼされる
。」

実際に太平洋戦争勃発のはるか前に、人々の間で広く信じられていたのだそうです。

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日本の軍国主義者についていえば、彼らは精神的にあまりにも人種的意識が強く、
あまりにも一方的な考え方をし、その結果として、全く他人を理解することができず、
また他人に自分たちを理解させることもできなかった。
こんなことに原因して、東南アジアでの戦時中、彼らがなした多くの行為、
よきにつけ悪しきにつけ、そこの人々には、常に悪となったのだ。
軍人は、すべての事柄を日本人の見方で眺めた。
そしてもっと悪いことには、彼らと関係する他の人々すべてに彼らのやり方を押し付けた
のだ。
彼らにとって日本人のやり方以外、物事を処するやり方は存在しなかった。
また、日本人にとって、唯一の目的、利益は日本人の利益であり、
東アジア諸国の唯一の運命は、満州と朝鮮のように永久に日本に結び付けられることであった。
このような民族的おしつけは、日本人とビルマ国民との間の、真の理解を実際にはほとんど不可能にしていた。

ここまで
このあたりは日本人は真摯に受け止めるべきがあるのだと思う。
当時の出来事をただよかった、悪かったですますのは悪い傾向であり、
それでは歴史を学ぶ利点はない。


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