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マイクロファイナンス 貧困と闘う「驚異の金融」 菅正広

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マイクロファイナンスについて知りたくて借りてきました。
マイクロファイナンスは貧しい人のために少額のお金を無担保で貸す仕組み

消費者金融と何が違うのか?
一番の大きな違いは消費者金融は一般企業として利益を最大の目的としているので、
働く個人としてはちがうこともあるだろうが、
企業としてはその人がその借金で生活が改善していくことを望むよりは、
自らの企業の利益を最大化することに重みを置く。

これに対して、マイクロファイナンスの組織は金儲けを目的としている組織ではないので、
貧困者の救済を目的としている。
かといって貸し倒れしてもいいわけではない。
貧困者を救済するための審査を行うので、人重視になってくるわけです。
言うのは簡単だが、これを実施するのは難しそうです。

この本の次に、マイクロファイナンス批判の本を読んでみようと思っているが、
今のところマイクロファイナンスについては肯定的な感情を持つようになっている。
おそらくこのマイクロファイナンスに否定的な意見を持つ人は
いわゆる朱子学に犯された古いタイプの人で、
金貸し=悪、金を右から左へ移動して金が儲かる職業は仕事じゃない
という考えの人です。
じゃあ、この世から金貸しが無くなったらどうなるのか?と言いたい。
間違いなく経済は停滞し縮小していくだろう。
世の中、良い悪いで極端に考えるてうまくいくものはほとんどない、と言っていいい。
二元論はいけませんね。
これは保守にも革新の人にも言えることです。

私はこの仕組を日本でも行えるのではないかと思う。
日本の地域共同体を復活させ、
地域で互助的な組織で融資を行い、(グラミン銀行)
そこへの出資には税制を優遇したり、自治体・政府が融資をしたり(トリオドス銀行)
することで現在の社会保障の問題の解決に役立てられないだろうか



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このマイクロファイナンスは、バングラデシュのグラミン銀行が最も有名です。
ここの大きな特徴は五人一組のグループローンであること。
五人一組のグループを作ることで、
「本当に必死に頑張れる人だけを(借り手として)選別できる」
というメリットが生まれる。
グループでは順番に融資を受けられ、前の人が返済しないと次の人は借りられない。
この仲間を裏切れない気持ちとピア・プレッシャー(仲間同士の圧力)
がグラミン銀行にとっての目に見えない担保となっている。

ちなみにグループと言っても、連帯保証ではないので、
他の人が返せない場合に代わりに返済する必要はない。
返済率は97.94%と極めて高い。

グラミン銀行の課題としては、
・極貧層(働いて返すことはできないような人)には融資されにくい
・新規事業への融資には難しい
などがあるようです。


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オランダのような先進国にもマイクロファイナンスがある。
トリオドス銀行は広く非課税預金を集めて、
それを環境や社会事業に低利融資
している。
銀行にとっては非課税融資で集めた預金なので
通常預金と同じ利益を得ながらも低利で貸付ができる。
預金者にとっては預金金利は低くても非課税のため普通の預金とそれほど変わらない。

何より、政府にとっては
財政資金よりも規模の大きな民間資金を環境や貧困削減に還流させる政策効果を得ることができ、社会的課題に資金を循環させることができる。

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岩手県消費者信用生活協同組合は多重債務者に融資をしながら貸し倒れ率0.3%という実績を挙げている。

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ココ・ファーム・ワイナリー
栃木県足利市で知的障害者に雇用の場を提供しながら、
先進国首脳会合にも提供される高品質のスパークリングワインやワインなどを生産している。


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