台湾の学生が国会を占拠しているニュースはよく見かけると思います。
そしてこの行動を台湾の現地の方は多くが賛同しています。
もちろんこの運動の背景には台湾と中国との貿易協定が存在する。
たとえばこの記事を参照ください
【台湾速報】抗議で揺れる台湾で「とある社長の独り言」にコメント殺到 台湾の反応「感動した!!」「シェアするべき」
今回は、別の視点、民主主義という点から見てみたいと思います。
そもそも台湾の政治はどのようになっているのでしょうか。
現在の与党は国民党、つまり蒋介石が第二次大戦後中国人(外省人)を連れてやってきた党です。
台湾では、戦後に大陸からやってきた中国人を外省人と呼び、
それより前からいた中国人を本省人と呼びます。
外省人は全体の10%強しかいません。
台湾は、蒋介石の息子、蒋経国が死ぬまで軍事独裁政権でした。
国民党による一党独裁であったわけです。
その後、当時国民党第二位で蒋経国死後トップになった李登輝さんが台湾を民主化に導いていきました。
民主化に成功し、生まれた民進党は主に本省人の想いであろう、大陸との決別、台湾独立にあります。(もちろん言動はもっと緩やかですが)
2000年から2008年まで民進党政権であり、
それ以後、現在の国民党馬英九政権が続いています。
なぜ、10%強しかいない外省人の政党、国民党が現政権を担えているのでしょうか。
それは、選挙で選ばれたからに他なりません。
どこの国でもそうですが、多くはイデオロギーではなく、自分のお腹を満腹にしてくれるかどうかで票を入れがちです。
多くの人は、長期的にこの国を***したい、だから***に票を入れよう、などとは考えない。
***のほうが私の家計は潤いそうだから票を入れよう
と考えるほうが多いです。
台湾メディアが国民党に支配されている、ということももちろんありますが、
当時の台湾の民衆は、大陸と仲良くして潤いたい、そう考えた結果
馬英九政権が誕生したことに疑いはないでしょう。
台湾国民が選んだ
これを私たちは忘れてはいけません。
それはこの日本においても一緒です。
民主党政権が誕生した、自民党政権が誕生した
あたかもどこかで誰かの意思で生まれたかのように感じる言葉ですが、
選んだのは私たち日本国民なのです。
自分の家計を潤しそうだ
ではなく、どういう国・社会にしたいか、で選ぶ国民
その割合が高ければ高いほど現在の民主主義としての民度が高いと言えます。
この点においては、現在の日本はまだまだ民度が高いとは言えません。
前回の衆参総選挙でも、自民党が圧勝したとは言え、
安倍政権の方向に賛同したというよりも、
「これで円高が解消される」
「これで経済が少し良くなりそう」
そうした観点で選んだ人が圧倒的に多いでしょう。
現在の安倍政権での重点政策が主に経済に向いているのにはこうした背景があります。
もちろん、経済政策は重要で、そこを誤って反乱が起きるなどというのは世界の歴史で度々存在しますから、経済は大変重要です。
しかし、経済で票を入れるにせよ、
「国の経済が良くなる」
という観点で票を入れるならまだしも、
「うちの市町村に公共事業を引っ張ってきてくれる」
などと個人の欲望丸出しの要因で入れる票を決めるのはいかがでしょうか。
こういう人が多数を占めるかぎりにおいては、
台湾と同じようなことは日本では起きない
などというのは幻想にほかならないと思うのです。
この台湾問題において私たち日本人ができることは限られていますが、
この問題を日本のこととして考えることは絶対に必要なことだと思います。
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台湾の学生運動から見る民主主義
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