テレビ東京で、日本のこの50年間の歩みについての番組がありました。
たしか未来世紀ジパングの関連だったと思います。
そこで、この本が紹介されていたので借りてみた。
が、あまりおもしろくない
ただこの本は1988年に出版されていて、この時期にすでにこういうことが話されていたのか、と思いました。
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風呂田利夫さん(当時東大の講師)の記事より
東京湾汚染の主要原因は有機物が海域中に存在しすぎて水質ならびに底質環境を悪化させていることにある。
有機物は本来は生物体を構成し、生命活動のエネルギーを得るために不可欠な物質であるが、
その供給量が現在の東京湾のように魚介類などの動物によって食べきれないほど多すぎると、
食べきれないまま海底に堆積し蓄積される。
この蓄積された有機物はバクテリアにより分解されるが、
その過程で海底の海水中の酸素が消費され、海底は酸素不足状態となる。
このような環境では嫌気性のバクテリアが硫化水素を生産するようになり、
この硫化水素は動物にとって有害なうえ無機的に酸素を消費するため環境はさらに悪化する。
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和波一夫(当時東京都環境保全局)さんの記事より
赤潮に象徴されるプランクトンの増殖=有機物生産が東京湾の水質悪化をまねいているわけだが、
これを都市から流入する直接の汚濁(一次汚濁)と区別して二次汚濁と呼ぶことが多い。
東京湾の内部で有機物が生産されているため内部生産ともいわれる。
では一次汚濁と二次汚濁の割合は、どれくらいであるのか。
ーー中略ーー
冬季の上下層海水のよく混ざる循環期と夏季の成層をなす時期それぞれの
一次・二次汚濁の比をつぎのように算出している。
循環期の二次汚濁量は一次汚濁量の1.1~1.6倍、
成層期では3.5~4倍。
つまり夏季は、都市から流入するCOD(化学的酸素要求量)の
4倍もの汚濁が、湾の中で生物活動によって作られているのである。
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提言東京湾の保全と再生 田尻宗昭 編
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