Quantcast
Channel: 読書は心の栄養
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

各国の参議院選挙の報道

$
0
0

日本の新聞では軒並み
「自公の勝利」
「ねじれ解消」
の文字が踊っていたが、

各国の新聞ではどうだったのか
イギリスのファイナンシャルタイムズでは
Mr Abe’s ideological roots have made some nervous that, with a stronger mandate, he will press ahead more forcefully with a nationalist agenda. Some fear he will go to Yasakuni shrine, a nationalist symbol hated by China and South Korea, or that he will tinker with the wording of Japan’s postwar apologies. 
安倍首相のイデオロギーの根本的なもの(つまり保守思想)が、
「安倍総理はより強固な権限を得ることで、国家主義的な政策をもっと推し進めるのではないか」、と人々をハラハラさせている。
中国や韓国に嫌われている国家主義の象徴である靖国神社に安倍総理は参拝するのではないか、
あるいは日本の戦後の謝罪の内容を変更するのではないか(つまり歴史修正主義者のことを言っている)、と恐れている人もいる。

などと書いており、この選挙によって安倍首相の権力が強まり、
ナショナリズムが強まることの懸念を述べている。

日本に批判的なニューヨーク・タイムズでは、
By securing control of both houses of Parliament for up to three years, the win offers Prime Minister Shinzo Abe, an outspoken nationalist who promises to revitalize Japan’s stagnant economy and strengthen its military, the chance to be the most transformative leader in a decade. It also offered an opportunity to end the nation’s series of short-lived and ineffective prime ministers. 
この選挙の勝利によって両議院の安定的多数を3年間保持することが可能になった。
日本の停滞した経済を活性化し、軍事力を強化することを約束する歯に衣着せぬナショナリストである安倍総理に対して、この選挙の勝利は、この10年間で最も革新的なリーダーとなる機会を与えることとなった。
また、この勝利によって、日本のこれまでの短命で非効率な首相・政権を終わらせる機会をも与えることとなった。

等と書いており、ニューヨーク・タイムズにしてはポジティブに安倍総理と日本の将来を評価している。


アメリカの保守的な新聞、ワシントン・ポストでは
Japanese voters dealt a runaway election victory Sunday to the ruling Liberal Democratic Party, in a strong sign of approval for Prime Minister Shinzo Abe’s ambitious plan to revive the world’s third-largest economy.
日本の有権者は与党である自民党に対して、日曜日の選挙の大勝をもたらした。
安倍晋三首相の世界第三位の経済を復活させる野心的な計画に有権者は強い信認を与えた

としている。

海外の新聞ではいずれも、ねじれ解消・自公大勝よりも
安倍晋三首相個人にフォーカスを当て、
その経済政策や、そのナショナリズム(こっちに対しては懸念も感じているが)に
紙面を割いている。

日本の新聞では、選挙の後、政党が勝った負けたについて述べることは多いが、
その勝った政党のトップ、今回は与党が勝ったので首相、
政策プランや考えに対する有権者の支持
という観点で述べられることが少ないように思えます。
せいぜい小泉政権下での郵政選挙ぐらいでしょう。

でも、本来私たち有権者は
「**の政党が勝ってほしい」
という思いで投票を行うよりも
「自分たちがその政策にどう思うか」
で投票を行うべきなのであり、
そうした有権者の思いをこそ、メディアは着目するべきなのではないだろうか

そして、そうした報道をすることにこそ、
これまで政治にあまり関心のなかった国民に関心をもたらすことになるのではないだろうか


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

Trending Articles