【新品】【書籍・コミック ビジネス・経済・就職】GATT・WTO体制と日本 国際貿易の政治的構造 |
WTOのことを知りたくて借りたんですが、
この本はどちらかというとWTOの仕組みというよりは、WTOに至るまでの歴史が主で余り役に立たなかった。
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(WTOにおける)米国にとっての主要交渉項目の第二のカテゴリは「新分野」であるが、
そこに紛争処理メカニズムが付随していることが条件となってくる。
紛争処理規定の伴わない「新分野」協定では、参加する国の数は増えるかもしれないが、
協定の遵守と譲許の実施を確保する強制力を欠くことになる。
米国政府が紛争処理能力を具備した「新分野」協定を目指した背景には通商法301条あるいはスーパー301条などの「一方的措置」を発動しなくとも相手国市場を開放することのできる方途を模索していたということがあった。
ーー中略ーー
WTOが米国にとって重要になるのは次の二点においてであろう。
まず第一はWTO設立協定が全体で一個のパッケージとなっている点で、
各国は自国に都合の良い箇所だけに加入するということはできない。
プンタ・デル・エステ宣言の交渉原則に関する部分には
「交渉の開始、遂行、結果の実施は単一の約束の各部分として取り扱わなければならない」とある。
これによりいわゆる「タダ乗り」の防止が可能となり、GATTシステム(あるいはWTO)全体の信頼性を高めることができるわけである。
WTOが米国にとって意味を持つ第二の理由は、
セクターを超えての制裁を「合法的に」行うことが可能という点である。
WTO協定に含まれるサービス協定に違反し、紛争処理パネルによってこれが認定され、
当該措置の改善、撤回などが勧告されたにもかかわらず被提訴国がこれを履行し得なかった時、
権利の無効化または侵害を受けた国はまず同じサービス分野での法服の可能性を模索し、
もしこれが可能でない場合には、財貨の貿易の分野で報復の対象となる品目を探すことができるようになる。
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WTOを「反環境」と糾弾する環境NGOの主張は主として次の3つの論点に絞ることができる。
一つは、WTOはあらゆるコストを支払ってでも自由貿易を実現させようとする国際機関であって、
多国籍企業を始めとするビッグ・ビジネスとこれを後押しする政府の「利益代表」にすぎないとする見方である。
二つは、環境に絡むWTOの紛争処理事例をその結果から判断して、WTOは環境保護を目的とする国内法や規制を「非民主的に」否定する謁見的な国際機関という見方である。
三つは、環境問題は一般の人々に遍く関係するものであるのに、WTOの意思決定は「密室」で行われ、透明性を欠いているという見方である。
ここまで
極端すぎる考えですね。
日本共産党とかがWTOにかぎらず権威・権力のある組織を叩く際に使いますね、こういう論点で