これは、13歳からの道徳教科書を通じてはじめて知った内容で、
全文が宮内庁のHPにあることを知りました。
全文はこちら
一部をここに抜粋させて頂きます。
是非、全文をご覧いただければと思います。
「橋をかける」という名前で本も販売されております。
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父がどのような気持ちからその本を選んだのか,
寡黙な父から,その時も,その後もきいたことはありません。
しかしこれは,今考えると,本当によい贈り物であったと思います。
なぜなら,それから間もなく戦争が終わり,米軍の占領下に置かれた日本では,
教育の方針が大巾に変わり,その後は歴史教育の中から,
神話や伝説は全く削除されてしまったからです。
寡黙な父から,その時も,その後もきいたことはありません。
しかしこれは,今考えると,本当によい贈り物であったと思います。
なぜなら,それから間もなく戦争が終わり,米軍の占領下に置かれた日本では,
教育の方針が大巾に変わり,その後は歴史教育の中から,
神話や伝説は全く削除されてしまったからです。
私は,自分が子供であったためか,
民族の子供時代のようなこの太古の物語を,大変面白く読みました。
今思うのですが,一国の神話や伝説は,正確な史実ではないかもしれませんが,
不思議とその民族を象徴します。
これに民話の世界を加えると,それぞれの国や地域の人々が,
どのような自然観や生死観を持っていたか,何を尊び,何を恐れたか,
どのような想像力を持っていたか等が,うっすらとですが感じられます。
民族の子供時代のようなこの太古の物語を,大変面白く読みました。
今思うのですが,一国の神話や伝説は,正確な史実ではないかもしれませんが,
不思議とその民族を象徴します。
これに民話の世界を加えると,それぞれの国や地域の人々が,
どのような自然観や生死観を持っていたか,何を尊び,何を恐れたか,
どのような想像力を持っていたか等が,うっすらとですが感じられます。
父がくれた神話伝説の本は,私に,個々の家族以外にも,
民族の共通の祖先があることを教えたという意味で,
私に一つの根っこのようなものを与えてくれました。
本というものは,時に子供に安定の根を与え,
時にどこにでも飛んでいける翼を与えてくれるもののようです。
もっとも,この時の根っこは,かすかに自分の帰属を知ったという程のもので,
それ以後,これが自己確立という大きな根に少しずつ育っていく上の,
ほんの第一段階に過ぎないものではあったのですが。
民族の共通の祖先があることを教えたという意味で,
私に一つの根っこのようなものを与えてくれました。
本というものは,時に子供に安定の根を与え,
時にどこにでも飛んでいける翼を与えてくれるもののようです。
もっとも,この時の根っこは,かすかに自分の帰属を知ったという程のもので,
それ以後,これが自己確立という大きな根に少しずつ育っていく上の,
ほんの第一段階に過ぎないものではあったのですが。