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乃木大将と日本人 S・ウォシュバン

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乃木大将とは、日露戦争で戦った、軍神乃木希典
坂の上の雲では、コテンパンに言われているが、個人的にはそんな言われることはしていないと思っています。

著者は従軍記者で、乃木大将とも交流があり、その印象などを通じてこの本が書かれている。
また、乃木大将を通じて、日本の武士道を語っていると言っても良いと思う。


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一兵卒の戦死さえ、乃木大将は肉親の不幸として感ずる人である。
ましてこの旅順口攻撃戦によって与えられた苦痛に至っては、比ぶべきものもなかった。
かの第一回総攻撃のあった8月の一週間、乃木大将は常に前線に出ていた。
こなたの丘に立ったかと思えば、また彼方の山に移る。
そして部下の師団・旅団・連隊が、露軍の砲火を浴びて、さながら日光のもとに消ゆる靄のように、相次いで消えてゆくのを見守った。
しかもなお将軍は、毎日彼等に頑張らせて止まなかった。
この計画は将軍自らの計画ではない。
将軍はただその責任を負うたのだ。
そして過去一千年の歴史にも、絶えて比類を見いだせない、堅忍不抜のストイック的精神を発揮して、飽くことを知らぬ戦争の巨腹に充たしむるに、あたら日本男子の鮮血をもってしたのである。

乃木大将と日本人

乃木大将と日本人
価格:648円(税込、送料別)


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