この本は、昭和初期に書かれた本で、科学について哲学的に書かれている
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再現できぬ一回だけの出来事は、科学にとっていかなる意義もないからである。
したがって理論と矛盾する少数の基礎言語が時折ひょっこり現れても、
これをもってわれわれは、理論を反証されたものとして拒否するわけにはとてもいかない。
理論を反駁する再現可能な結果を発見した場合にだけ、われわれは理論が反証されたとみなす。
ここまで
これを読んでいて、スタップ細胞の件を思い出した。
スタップ細胞について小保方さんが発表した際、
チラホラと再現できない、という声が出たが、そのときはそれについては放置されていたが、
次第に再現できない事例が集まり始めると、「反証」され、
その「反証」について小保方さんが反論をしたわけです。
反論して、再現しようとしたが、実際に作成するに至らなかったので、「反証」への反証失敗ということになりました。
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観察だけが「事実に関する知識」をわれわれに与えうること、
われわれは「観察によってのみ事実を認知し」うることを、私はちゅうちょなく認める。
しかし、この認知、このわれわれの知識は、いかなる言明の真理性をも正当化するものではないし、確立するものでもない。
ここまで
単純に言えば、「黒猫が横切ったあと、不吉なことが起きた」とする。
不吉なことが起きたことは「事実」だが
「黒猫が横切る」ということが「不吉なことが発生する」ことを結びつけることはできない、ということだろうか。
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われわれは知るのではない:ただ推測しうるだけである。
そしてわれわれの推測は、われわれに暴露でき発見できる規則性、法則が存在するという
非科学的で形而上学的な(しかし生物学的には説明できる)信仰に導かれている。
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