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21世紀のエネルギー地政学 十市勉

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2007年の本で、現在とは大きく状況が異なるが、少なくとも当時の情勢としてはためになる本。

まだシェールガスはないし、原発事故も起きていない。

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国際エネルギー機関(IEA)は、2004年に発表した世界の石油需給見通しで、三つのシナリオを示した。
そこでは、未発見の埋蔵量について、確率50%の基準ケース、確率90%の低ケース、確率10%の高ケースについて、将来の生産量の予測を行った。
それによると、世界の石油生産は、未発見の埋蔵量を悲観的に見る低ケースでは2015年に、
楽観的な高ケースでは2035年頃にピークに達するとしている。

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これまで反原子力の立場をとってきた一部の有力な環境主義者が、地球温暖化対策として原子力発電の必要性を公然と訴え始めたことである。
その代表格の一人が、環境保護団体グリーンピース・インターナショナルの共同創設者であるパトリック・ムーアである。
彼は、30年の間、核兵器廃絶の立場から、原子力発電の開発・利用に反対してきた。
しかし、地球恩高のリスクが顕在化する中、原子力こそが気候変動による大惨事から地球を救うエネルギー源であると主張するようになった。

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現在米国では、600基以上の石炭火力発電所が年間20億トン近くのCO2を排出しているが、
これは3億台の自動車からの排出量と同じである。
ーー中略ーー
米国で稼働している103基の原子炉は、1億台以上以上の自動車からの排出量に匹敵する年間約7億トン相当のCO2排出を防いでいる。

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保守党のメルケル現政権は原子力の再評価をうたって選挙を戦ったが、大勝できずに社会民主党との連立政権になった。
そのため、前政権のエネルギー環境政策を踏襲することになり、原子力政策の大きな転換はまだ起きていない。


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