Quantcast
Channel: 読書は心の栄養
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

父が子に語る世界歴史4 激動の19世紀 ジャワーハルラール・ネルー

$
0
0

インド初代首相ネルーが投獄中に娘に出した手紙を集めたもの

第4巻はフランス革命から日露戦争ぐらいまで

=================

ルジエ・ド・リールがラインの軍隊(ライン方面の共和国軍隊)のために作曲した軍歌で、
その時以来「ラ・マルセイエーズ」として知られているものだ。
(フランスの国歌)

たて、祖国の子ら
今こそ光栄の日は来たぞ!
我らに向かって暴虐の
血なまぐさい旗がひるがえる!
きこえるか、野に山に、
あの暴兵どもの吼えるのが?
やつらはすでにわれらの腕に迫り、
われらの子、われらの妻を殺そうとしている!
武器を取れ、市民たち!
きみらの部隊を作れ!
すすめ!すすめ!
けがれた血でわれらの畝(うね)を潤そう。
(本田喜代治訳)

===============

インドのイギリス人がしてきた、善いこと悪いことを読みながら、
おまえはかれらが追求してきた政策や、そこから結果した広範囲にわたる貧困について、
ときには怒りを覚えたこともあっただろう。
だが、こんなことが起こったのは、いったいだれの罪だったのだろうか?
それは我々自身の無知と、弱さのためではなかったのか?
弱さとおろかさは、かならず圧政を誘い出す。
イギリス人が我々相互の間の不和につけ込む隙を見出したとすれば、
われわれが仲間同士で喧嘩をするのが悪いのだ。
もしかれらが我々を分裂させ、そのことによってわれわれの力を弱くし、
別れ別れになった集団の利己心に乗ずるのだとすれば、そんなことをゆるすわれわれの姿こそ、イギリスの優越を示すものだ。
だから、もしおまえが腹を立てたかったら、弱さと無知と、仲間割れにこそ腹を立てるが良い。
これらのものこそが、われわれの苦しみの原因となったものだからだ。

==================

ナショナリズムは、適切な場所に置けば良いものだ。
しかしそれは頼みにならない友人であり、あまり確実でない歴史家であることもある。
それはしばしば、出来事の非難をイギリスに投げつける事のないように用心しなければならない。

===============

中国における、もっともおそろしい、残酷な反乱を起こしたのも、ひとりのキリスト教改宗者であった。
これは1850年頃に、病的狂信者ホン・シウ・チュワン(洪秀全)によって起こされた太平天国の乱のことだ。
この宗教的狂信者は異常な成功をおさめ、「偶像崇拝者を殺せ!」という喊声をあげて横行し、
無数の人民が殺戮された。
反乱は中国の大半を席巻し、およそ12年の間に、少なくとも2000万の人々が死んだと推測されている。

===============

中日戦争(日清戦争)の最中から、列国は日本が、中国本土のいかなる港湾を併合することにも同意しないと警告していた。


父が子に語る世界歴史〈4〉激動の十九世紀/みすず書房
¥2,376
Amazon.co.jp


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

Trending Articles