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昭和の動乱 重光葵

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この本は、元外務大臣の重光葵から見た満州事変以降、自分が戦犯として逮捕されるまでを描いている。
「重光葵 連合軍に最も恐れられた男」 福冨健一を読んで参照されている本だったので借りてきた。
が、彼が上海で爆弾で足を吹き飛ばされたことについては書かれていなかった。
そんなことは日本にとってどうでもいいと思ったのだろうか。

この本で初めて知ったが、共産主義のスパイだったゾルゲの父は、カール・マルクスの秘書だったのだそうだ。

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第二次近衛内閣登場の頃

日本人は健忘症である。
第一次近衛内閣が何をしたか、また、日本のためにいかなる存在であったか、は、さらりと忘れてしまっていた。
日本人の政治的責任感は、遺憾ながら、一般的に薄い。
政治は結局国家の仕事であり、すなわち、国民の責任であることは、いまだ十分に自覚されておらぬ。
政治家も、いったん辞職すれば、責任は解除せられるものと、簡単に考えている。
日本人は、政治を見ること、あたかも芝居を見るがごとく、
鑑賞はしても、自分自身が役者の一人であり、みずから舞台の上にある、ことを悟ってはいない。
いかに手際よく、その日の舞台劇をやってみせるかに腐心するのが、また政治家であって、国家永遠のことを考え得るの余裕を有つものが少ない。



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