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進化の謎を数学で解く アンドレアス・ワグナー

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進化論は現在どのような手段で真と認められているのか、という素朴な疑問が元で借りてみた本
実際にはこの本はそういった本ではなくて残念でしたが

数学のことはあまり書いてなくて、むしろ昨今のコンピュータ技術の発達を活用してこうした学問(分子生物学など)が急速に発達したことを書いている。

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家庭で試してみることができるびっくりするような実験がある。
コムギを容器に入れ、口を汚れた下着で密封する。
21日間待っていれば、ネズミが姿を現す。
それも、生まれたばかりの赤ん坊ネズミではなく、立派な大人のネズミだ。
少なくともこれが、17世紀の医師で化学者のヤン・バプティスタ・ファン・ヘルモントが報告したものである。
(彼はまた二個の煉瓦の間においたバジルからサソリが現れることも明らかにした)

ここまで
かつては生物が自然に発生するという観念が広く浸透していたため、
現在ではおかしいとしかおもえないことを平気で発表できる世の中だったようです。

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地球の暴力的な草創期(38億年前)は、浜辺で過ごす休暇のごとく穏やかなこのシナリオに疑問を投げかける。
月は地球から現在の3分の1しか離れていない距離で周回し、海を強力に引っ張り、
現在よりも少なくとも30倍は高い大潮位をつくりだしていた。
おまけに、月は能動的に地球の周りを回転していて(自らは二倍の早さで自転していた)、
5日ごとに地球を一巡りし、二、三時間ごとにそうした極端な高潮位をつくりだしていたから、
生命の原料が濃縮できる時間はほとんど残されていなかっただろう。

ここまで
これはダーウィンが「温かな小さな水たまり」が最初の生命が生まれる触媒として働いた、という説に対する反論
当時の月のことを考えてもみなかったが、こんなに暴力的だったとは

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公共電力事業ができてから一世紀以上たつが、
世界中で14の互換性のないコンセントが存在していて、
よその国からやってきた何百万人という海外旅行者たちにとって、
日々持ち歩くラップトップ、ヘアドライヤー、電気カミソリ、およびコンセントの合わないアダプター、は悪態の種である。

自然は違う。
自然はエネルギー備蓄の規格を一元化してきた。
力学的(建物を破壊するために打ち込まれる鋼球)、
電気的(コンピューターを動かす電流)、
あるいは化学的(原子を結びつけて分子にする結合力)など、
エネルギーを取り出す多様な形態のなかで、生命のお気に入りは化学的エネルギーである。
単細胞の細菌類からシロナガスクジラまで、地球上のすべての生物は、
エネルギーを、アデノシン三リン酸、すなわちATPという分子に貯えるという規格化された方法を使っている。
この分子の高エネルギー結合が切断されると、エネルギーは別の分子に移転され、
エネルギーがそれほど高くないアデノシン二リン酸(ADP)ができる。
高エネルギーのATPを作り直すには、特別な酵素の手を借りて、燃料となる分子からエネルギーを取り出してADPに移転することが可能である。

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今日でも私たちは、無害なものを「母乳のように安全」と呼んでいる。
しかし、世界の人口の半分以上にとっては、コップ一杯の健康なミルクは、絶対に体によくない。
それは膨満感、ガス、下痢を意味する。
その理由は、ミルクの甘味成分である乳糖(ラクトース)を体が吸収できるように分解する酵素、ラクターゼの欠如である。
それがなければ、体は乳糖を分解できず、使われずに残された乳糖は腸内細菌が燃料として喜んで貪り、不快な副作用を伴う老廃物を作り出す。

そうした乳糖不耐性の大人も赤ん坊だったときには、母乳に含まれるこの糖を問題なく消化できた。
赤ん坊のラクターゼの遺伝子のスイッチがオンになっていた(専門用語で言えば、発現していた)のであり、
それはつまり、体はラクターゼをつくるDNAの指示をRNAに転写して、このRNAを必要な酵素に翻訳したことを意味する。
乳糖不耐性の大人の体は、ラクターゼ遺伝子のスイッチを永久的にオフにしてしまい、
もはやそれを発現しないのである。
ラクターゼ遺伝子のように、私たちの体がスイッチをオンにしたりオフにしたりすることができるものを「被調節遺伝子」という。


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