インド初代首相ネルーが投獄中に娘に出した手紙を集めたもの
最終巻である第8巻は1933年に出している手紙で
第二次大戦が始まりそうな予感が書かれている。
この巻は世界恐慌などがどのようにして起こったのかを著者なりの分析で書かれていて面白い。
第1次世界大戦、イギリス、フランスはアメリカから莫大な借金をして勝利した。
もちろん、この借金は返さないといけないが、両国にはそのお金がない。
戦後のヴェルサイユ条約でそのお金を敗戦国たるドイツからいただこうとし、
天文学的な金額の賠償金を課すことに決定した。
ドイツにはそんな金額を支払う力はない。
ドイツはアメリカから莫大な借金をし、それをイギリス・フランスに支払う。
イギリス・フランスはそのお金をアメリカに支払う。
アメリカはそのお金で再度ドイツに貸す。
そういう順繰りなばかげたお金のやりとりをしていたそうだ。
おかげでアメリカはとてつもないバブルを生み出していたわけだが、
あるときアメリカはドイツに貸すのをストップする。
余分なお金がないと判断したのだろう。
すると、ドイツは賠償金の支払いが出来なくなる
すると、イギリス・フランスは借金の支払いが出来なくなる。
すると、アメリカは苦しくなる。
これが一端として世界恐慌が始まったようだ。
起こるべくして起こったということなのだろうか。
また、アメリカではこの時期に民主党・共和党の支持基盤が逆転している。
昔は南部は民主党の支持が強く、
黒人は共和党の支持基盤であったといわれる。
この世界恐慌の時代、アメリカの農民たちは借金を返すことができず、
銀行は金を取り戻そうと農地を売り払おうとした。
農民たちは「人権は法律に優先する」として団結し、競売にかけた農地を誰も買わないようにしたらしい。
銀行はその結果農地の売却をあきらめた。
ここに、民主党が基盤を広げる地盤が出てきた、と考えられる。
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われわれは、あちらこちらと歴史のなかに足を踏み入れてみて、
どんなに世界がいよいよますます一体となりつつあるか、
どんなに種々様々な地域が一緒になり、お互いに相互依存の関係に入りつつあるかを知った。
まことに世界は、単一の、わけ隔てることの出来ない全体となり、
その各部分はそれぞれほかの部分に影響を及ぼしながら、また影響を被っている。
いまでは個々別々の諸民族の歴史を語ることは、まったく不可能だ。
われわれは、すでにそのような段階を踏み越えてしまったのだ。
そしていまや、なにか実質的な目的に役立つ歴史を書こうとすれば、それはすべての諸国民につながる糸をよりあわせ、それらを動かす真の力の発見につとめる単一の世界歴史以外のものではあり得ない。
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