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ならずもの国家アメリカ クライド・プレストウィッツ

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タイトルはかなり刺激的だが、内容は

アメリカが

なぜ環境問題に見向きもしないのか

なぜ国連と協調せずにイラクに侵攻したのか

などについて丁寧に書かれている。

 

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第二次大戦後、兵器技術は急速に進歩した。

1960年代には、いわゆる散布地雷が開発された。

これを飛行機から投下すると、地面に触れたときに自動的に作動する仕組みになっている。

これなら手で一つずつ地雷を埋める手間がかからず、空軍部隊によって短時間で大量の地雷を仕掛けることが出来た。

散布地雷を最初に用いたのは、ベトナム戦争中のアメリカだった。

的の部隊を本拠地から離れた不利な地点へ誘導するのに、散布地雷はまたとない兵器となった。

ーー中略ーー

ベトナム戦争での米軍死傷者の三分の一近くは、味方の埋めた地雷によるものと推定されている。

 

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たとえばAK-47(カラシニコフ自動小銃)は流通統制が難しいため大量に出回り、

その闇値が紛争の緊迫度を示す目安となっているくらいだ。

その価格は通常230-400ドルで、100ドル以下になれば、激しい闘争が終わって平和が訪れたことを表す。

逆に1000ドル以上になれば、これから紛争が起こる兆候を示している。

 

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条約は上院によって批准されなければ法制化されないが、

法案が上院で投票にかけられる前には必ず、外交委員長が議事日程に組み入れ、

公聴会と討論を実施しなければならない。

ところが委員長は、何もしないまま何年でも条約を棚上げにしておくことが出来るし、

あるいは条約を投票にかけることと引き替えに、別の交換条件を要求することも出来るのだ。

したがって、大統領と大多数のアメリカ国民がある条約や法案を支持しているのに、

強い権限を持つ委員長の反対のせいで可決されないケースが多々ある。

こうしたイデオロギー的姿勢と制度上の権限が相まって、

アメリカはしばしば世界と反目してきたのである。

 

 

 

 


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