6月27日、『旅立ちの島唄~十五の春~』を観て来ました。
南大東島という島が沖縄県にあります。
沖縄本島から360km離れた離島で、島唯一といっていい産業はサトウキビです。
ここには、中学校までしかなく、
高校にいく子供は沖縄本島に行かざるを得ない
そんな島です。
この映画は主人公の女性が高校にいくために島を離れるまでの1年間を綴った映画です。
島に住むことの羨ましさと、その生活の厳しさを感じることができるいい映画でした。
マスコミを含め、私たちは軽々しく「離島保護しなきゃね」、と口にします。
では、いったいそのためには何をしなければならないのか
ハッキリ言えば、そんなことが簡単にできるようであれば、
とっくに解決していたのでしょう。
だからこそ、歴代政権でもなかなか解決できず、人口流出が続いている。
この映画の中でも述べられていましたが、この島はTPPに反対している。
それは、唯一の産業がサトウキビであり、
TPPで関税撤廃になった場合、この島の産業は海外の安価な砂糖に負けることが決定的であるからです。
そういうところからTPPを考えるのもまた一つの手なのでしょう。
しかしながら、TPPに参加しなければ安泰なのか、というとそういうわけではない。
いずれは、これまでの農業政策を転換せざるを得ず、
彼らの生活もまた何らかの変更を余儀なくされるのは間違いない。
なぜならTPP不参加なら不参加で、人口流出を止めなければいずれは産業が衰退し、
島の生活が成り立たなくなることも確かだからです。
こうした島を守っていくことは、日本国の安全保障としても大事だし、
その島で育ったひとの故郷を守る上でも大切です。
そして、南大東島に限らないが砂糖のような産業をどうしていくのか、
彼らの生活を向上させ、島を活性化させるにはどうしたらいいのか
この映画を観た人はただ感動するだけではなく、考えを思い巡らせるはずです。
