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捏造された日本史 黄文雄

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黄文雄さんの本
正直言って、新書サイズのため
日本の植民地の真実
と比べると文献リストがなかったり、説明が浅かったりしますが
よくまとまっていると思います。

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「明史」、つまり清朝が作成した明朝の歴史書の中の「外国伝」に
「鶏籠国(台湾)は日本に属する」
とはっきり記されているのだそうだ。

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よく、江戸時代や明治の初期から「中国侵略」が日本の目的だった、という人がいて
その根拠として
農学者の佐藤信淵(1769-1850)などは、
「皇国よりして攻め取り易き土地は、支那国満洲より取り易きはなし」と言っていたり、
吉田松陰も
「北は満洲の地を割き、南は台湾、呂宋(ルソン)諸島を治める」
と主張したことなどを挙げる。

国家計略、経世論というたぐいのものは、東西を問わず、古来よりどこの国にもあったもので、
日本に限ったことではない。
現在で言えば、ネトウヨが「中国やっつけろ」「朝鮮やっつけろ」と威勢のいいことを言っているが、
これが「日本が中国や朝鮮半島を支配しようとする根拠」となりうるかというと
そんなものにはなりえないのは、普通に考えればわかる。

中国にだって、清国駐日大使館員、姚文棟(ようぶんとう)(1852-1929)の兵略書では、
日清戦争前に、清国はすでに日本を征伐するための軍略的偵察を行っていたし、
江蘇按察使の応宝時も、江蘇巡撫の張樹声に、日本征伐に挙兵すべきことを進言している。

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辛亥革命が、袁世凱軍によって挫折すると、革命軍は1913年、
袁世凱打倒の第二革命を起こしはしたが、資金繰りに手を焼いていた。
ちょうどそんなとき、三井物産の森恪は、南京に居た孫文の秘書、山田純三郎を通じ、
宮崎滔天、孫文、胡漢民に呼びかけ、四者会談を行った。
議題は日本の満洲買い取りの条件だった。
日本が満洲と引き換えに孫文の革命軍に渡すのは、
二個師団分の武器と、現金2000万円である。
孫文が、別室に居た黄興と相談した所、彼もその条件に同意した。

しかし、革命軍はやがて敗退し、孫文と黄興はともに日本に亡命してしまったのである。
また、山本権兵衛内閣で、山県有朋が
「満洲はすでに日本の勢力範囲になっているのだから、金で買い取る必要はない」
という意見を出し、結局満洲の買収計画は立ち消えとなってしまった。
これは森恪の伝記に綴られた事実である。

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中国は、伝統的に国民というものが存在しない社会で、農民蜂起がいくらあっても、
世の中を支配するのは常に読書人であり、
人民は生殺与奪の権を握られる存在でしかなかった。
ーー中略ーー
だからどの派閥も勝手に政府を作り、他の政権に「偽」という冠詞をつけて絶対に認めようとしない。
自分こそ中国を代表する正統な政府だと言いはる。
しかし、相手を完全に殲滅するほどの力もなく、どれか一つに収斂されることもない。
したがって騒乱の止むことはない。

ーー中略ーー
このように不安定極まりない中国を相手に、簡単に支援だ援助だと言っても、
親切にしたぶん逆に被害を被ってしまう場合が多い。
政府にしろ、企業や個人にしろ、中国の背信行為のために
貸した金が踏み倒されてしまう例がしばしばある。

たとえば有名な西原借款などもそうである。
これは1917年、日本政府と北京の段祺瑞政府とのあいだで交わされた約束で、
「中国統一を望む日本政府」が、段の顧問である西原亀三を通じて
段祺瑞政府に当時の通貨で総計2億4000万円を貸し付けたものだが、
結局第一次交通銀行借款5000万円の元利が回収されただけで、
残りの1億9000万円は全額未回収のまま終わった。

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中国の軍隊がこれほど弱いのは、その質に問題があるのである。
兵隊といえば盗賊と同じようなもので、(中略)
兵士にとって、唯一賞金稼ぎのチャンスが略奪である。
豊かな城を攻め落としたら、部下に最低一週間は略奪、婦女暴行をさせてやらないと、
司令官は名将になれない。
すぐに部下に殺されるか、見捨てられてしまう。
ーー中略ーー
「史記」などのような正史をひもとかなくても、
唐の黄巣の乱、明の李自成、張献忠の物語でも読めば、中国の人殺しの文化様式が理解できるだろう。

ここまで、最後の虐殺事例には興味がある。
張献忠などWikiでみるだけでもとんでもない。
彼のせいで、四川の人はほとんど殺されている・・・


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