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希望の現場 メタンハイドレート 青山千春 青山繁晴

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希望の現場 メタンハイドレート (ワニプラス)/ワニブックス
¥1,365
Amazon.co.jp

青山千春さん(青山繁晴さんの奥様)は、メタンハイドレート研究の第一人者です。
この本は、メタンハイドレートについて新聞で取り上げられているが、
あまり知らない、という方に向けた本です。

研究者からみたメタンハイドレート資源についての将来性、課題などを語っています。
毎週水曜アンカーで青山繁晴さんの話を聞いている方にとっては、
あまり新しい内容はありません。

しかし、冒頭にあるメタンハイドレートの写真、
調査風景(新藤義孝総務大臣も同乗している)、
魚群探知機で表示されている画像などは
とてもタメになりました。
また、アンカーよりも少しだけ科学的なお話がありましたが、
個人的にはもっと科学的に突っ込んだ話を噛み砕いてお話してくれたら良かったなあ
と思いました。

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よく、「地球温暖化になるとメタンハイドレートの大崩落がある」と言う評論家がいます。
それはまったく違います。
実はその逆なのです。

メタンハイドレートが氷期から間氷期に移行するトリガー(きっかけ)になっているということが、
最近の研究で分かって来ました。
(氷河期のうち、気温が下がり、氷河の発達拡大した時期である
氷期と氷期の間の時期を間氷期という。間氷期は、現在と同じくらい温暖な気候を示す。
機構が温暖化するため、中緯度地域まで分布していた氷床が急速に融解し氷河も後退した。)
氷河期のうち、寒い時期である氷期になると、気温がかなり下がり、海の中の氷が増えます。
そうすると海水が減って海退が起きます。
(海面の低下、あるいは陸地の隆起によって、海岸線が海側に後退し、陸地が広がること。
逆に海が陸側に入り込んでくることを海進という)
海の水深がグッと浅くなるわけです。
必然的に水圧が減って、メタンハイドレートが安定して存在することができなくなり、
水とメタンに分かれて、大気中にもメタンガスが出てきます。
先にも触れたように、メタンガスの地球温暖化効果はCO2の20倍です。
メタンガスにより地球環境が温暖になっていき、氷河期の中のかなり温かい時期である、
間氷期に移行していくというわけです。
これが周期的に繰り返されています。


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