各国の通信等を傍受していた、ということが元CIAの職員から暴露される、ということで話題になるNSA
そもそもNSAとはなんなのか、歴史的経緯はどうなっているのでしょうか。
NSAは、アメリカ国家安全保障局であり、設立から60年以上経つものの、そのほとんどは存在が隠されていた組織です。
主に通信傍受、暗号解読を担当するインテリジェンス機関です。
主に通信傍受、暗号解読を担当するインテリジェンス機関です。
設立過程にはいくつもの説がありますが、
NSAが表に出てきたきっかけとなるヴェノナ計画を中心に考えると以下のようになります。
第二次世界大戦中、米国海軍内の暗号傍受を担当している部署は日本とドイツの暗号を解読していました。
当時両国はパープル暗号を使って解読されていないと思っていたが、大戦が始まってすぐ(一説には開始前から)解読に彼らは成功していました。
戦況が米国に優位になったある日のこと、彼らはある秘密暗号を傍受した。
それはどうもアメリカ国内からソ連に対して発せられていたのです。
その暗号はこれまでのいかなる暗号よりも強力で、一向に解読できなかった。
それもそのはず、ソ連は現在日米首脳間などでも使われる
「ワンタイムパスワード」という手法を使って暗号を行なっていた。
暗号を行うのに使うキーが「一回しか」使用されないため、理論上解読不可能な暗号です。
米軍はこの解読を一度は諦め、その後も傍受したメッセージを溜め込んでいたのですが、
終戦直前にある士官が
終戦直前にある士官が
「本来一回しか使われないはず」のキーが何度か使用されていることを発見しました。
ソ連はあまりにもメッセージを交換していて、
鍵が足りなくなって、使いまわすようになっていたのです。
鍵が足りなくなって、使いまわすようになっていたのです。
こうして、この米国海軍の暗号部隊は傍受していた膨大なメッセージの解読に取りかかりはじめ、
終戦後、その組織は決して表にはでない組織、「NSA」として生まれ変わることになります。
そして、その暗号は結局のところ「完全」には解読されないままソ連の崩壊を迎えます。
NSAはそれまでその存在を噂はされるものの、
”No Such Agency”とジョークにされるほどの秘密主義が貫かれていたのですが、
”No Such Agency”とジョークにされるほどの秘密主義が貫かれていたのですが、
1999年、ある程度解読が終わったものも含め、その暗号メッセージを外部に公開し、
民間の歴史学者などを通じてさらなる暗号解読にとりかかり始めることとなりました。
実に50年近く秘密を貫かれていた組織、
そしてその暗号メッセージには何が書かれていたのでしょうか
つづく
ヴェノナ ジョン・アール・ヘインズを元に構成