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核融合科学研究所に行ってきた Part2

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前回の続き

前回、核融合では水素をプラズマ状態にして衝突させることで水素をヘリウムにしてエネルギーを生み出すことを説明しました。
プラズマ状になった水素はそのままではすぐに拡散してしまいます。
これをなんとか維持しておかないと、衝突させることもままなりません。

太陽は、地球の30倍近い重力によってプラズマが拡散しないようにしている。
現実的な問題で私達の世界で高重力をもってプラズマを一定空間に閉じ込めることは考えていない。
現在、私達は磁力を用いてプラズマを一定空間に閉じ込めることを考えている

多くの国では、トカマク方式という方法でプラズマを閉じ込めようとしている。
日本でもいくつかの研究機関や大学でこの方法を採っている。
しかし、この核融合科学研究所においては、ヘリカル方式という独自の方式を使っている。

ヘリカル方式では、ドーナツ状の形で、プラズマが螺旋を描くようにドーナツ状の空間内を移動するようになっている。






ヘリカル方式は、従来のトカマク方式に比べると、長時間安定した運転が見込まれるようです。
が、見たところ、設計が非常に複雑に見えました。
日本の高度な技術力と、匠の技によって成し遂げることを期待しています。

核融合はまだまだ実現には時間がかかりますが、
原料が海水中から無尽蔵に取れること
二酸化炭素や窒素酸化物を発生しない
という利点が存在します。

つまり、環境への負荷がこれまでのエネルギー源と比べて非常に小さく、かつ得られるエネルギーが大きいという理想の技術です。




構内でDVDで基本的な説明を受けた後、実際に研究所内を見学させていただきました。

見学コースにはここにあるように、オプションコースがあります。
私は同じ時間に別の団体さんがいらっしゃっていたので、オプションコースを選ぶことができませんでした。

が、私が早めに到着し、団体さんが少し遅かったため、
彼らが参加する「ヴァーチャル・リアリティ」のコースを少し体験させていただくことが出来ました。
これは、私達が映画館で見る3D映画をさらに発展させたものです。

私達が見る3D映画は立体に見えるだけで、
例えば見える宇宙船をちょっと横から見てみようと思って、体を横にずらしたところで見えるのは宇宙船の正面だけです。

この核融合科学研究所で見た3D画像は、
私の移動や顔の角度に応じて、見える画像が変わっていく
のです。
それは、それはすごい興奮してしまって、
写真を撮るのを完全に忘れてしまいました。
ホームページ上の写真では、この興奮は伝わらないでしょう。
もし機会があれば、是非体験してもらいたいです。
これを体験した後は、映画館の3D映画がちゃっtちく思えてしまいます。

ちなみに、このヴァーチャル・リアリティは見学者に説明するためのものではなく、
研究目的に使用されているそうです。
なにかのパラメータを変えた時に、実際にどういう動き・影響が出てくるのかを
シミュレーションするために、このヴァーチャル・リアリティの装置があるのだそうです。

続く


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