この本は、戦後のインドに単身渡った日本人が、砂漠を緑に変えた話
その場所は現在インド一の穀倉地帯となっている
龍丸は砂漠にユーカリを植え、水を蓄えていったのだそうだ
著者は杉山龍丸の息子
この本は、致知を通じて知り、読んでみようと思い借りてきました。
実は、この杉山龍丸の父親はドグラ・マグラの著者、夢野久作
そして龍丸の祖父は、杉山茂丸で、杉山満の下、玄洋社に属し、
伊藤博文などと親しく、日本興業銀行(現在みずほ銀行)を設立した。
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龍丸は戦後、ひょんなことからインドの青年を受け入れて世話をしていた。
慣れない手つきで、熱心に器づくりに励んでいるインドの青年に、
「君はなぜ、そんなに一生懸命に陶器を作ろうとしているのだね」
と聞いてみると、その青年はこう答えた。
「インドでは、食べ物を盛る器がなく、木の葉でつつんで食べている。
そんな人々のために、一日も早く、茶碗を作れるようになりたいのです。」
龍丸は、そのインドの青年の言葉に感動した。
「なんという純粋な精神なのだろう。
なんという祖国愛なのだろう」
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「あなたのお父さん(龍丸)は、小さいころ、ラス・ビハリ・ボースから、
インドという素晴らしい国があるから、いつか行ってみるといいよと、言われたと言っていました」
ラス・ビハリ・ボースは、チャンドラ・ボースのようにインド独立のために尽力した人
ラス・ビハリ・ボースは新宿中村屋の相馬家の婿で取締役でもあった
龍丸はそれ以外に、ガンジー僧とも知り合いだった。
インドで龍丸が設立した農業試験場がある。そこでは龍丸の考えた農業プラントがある。
「ワジ(枯れた河)の地域には、地下に必ず水脈がある。
そこに植林する。
すると、木の根がこの水を浄化し、地下水を溜める。
しかも、植林した樹木は影を作り、地表の直射日光をさえぎり、水分の蒸発を防ぐ。
さらに、灌漑施設を作る。」
というようなものだった。
杉山龍丸は、
緑のガンジー
グリーン・ファーザー
と呼ばれている。