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病院ビジネスの闇 NHK取材班

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NHK取材班の本はいいですね
さすがに資金豊富なNHK
調査をしていることがわかる
生活保護不妊治療につづく3番目に読んだ本

これが番組にも120%反映されるといいんですが

第一に取り上げられていたのが、奈良県の山本病院事件
本の中ではY病院とされていたが、時期と事件の内容からこのことを言っているとしか思えない。
2009年に起きた事件ですが、私はこの本で初めて知った。

本を読む限りの事件としては、借金で困った病院が
積極的に生活保護者を患者として受け入れ、
まったく必要のない心臓カテーテル手術を行い
多くの患者を死に追いやっていた
という事件

非常におぞましい事件です。
手術を行っていた医師が、心臓カテーテルの手術をこれまで「助手」としかやったことのない人たちだった、というのが驚きだった。

ちなみにこの病院患者の6割が生活保護者だったという。
当然、治療費のくいっぱぐれがないこと
支払いが個人ではなく国・地方自治体であり患者も不要な治療を容認しがち
ということがある

こういう病院は過剰に診療報酬を得るため、入院患者も様々な細工を施していく
患者の入院料は入院期間が30日未満と30日以上とでかなり異なるようです。
この本によれば、30日未満で一日17500円、30日以上で13000円
このため、似たような趣旨の病院と手を組み、患者をトレードするのだそうだ。
①入院期間が30日以上過ぎると、別の病院に移される。
②するとその病院では入院期間はまたゼロからスタートする
③さらに、別の病院に来たということで同じ検査をまた一から行う
こうした形で法の抜け穴を利用して過剰請求を行うのだそうだ

<コトリバス>
ベッドに空きができた病院が入院患者を集めるために、
バスをドヤ街や公園に向かわせ、野宿者やホームレスを集めてくる
乞食をとってくるバス、略して乞取りバス(コトリバス)

このコトリバスの背後には暴力団が関係している
さらに、悪質な病院コンサルティングにも暴力団が関係しているという

<障害者病棟>
診療報酬の規定にある「一級障害者、二級障害者、それに準ずるもの」が7割以上いる病棟を
「障害者病棟」とし、そこでは、病院に入院している「患者全員」に対して、
1日当たり3500円の加算をしてもよいという項目がある。
障害を持つ人たちに対する看護は、そうでない人より手厚くならざるを得ない
という考え方が、点数を決める側の背景にあるのだろう。
加算をつけることで、人手がどうしても必要だと考えられる、そうした病棟に配慮しているといえる。

悪徳コンサルタントの感覚は違う。
障害者に加算がつくのならば、障害者を増やせば病院の利益は上がるという発想だ。

一般には「障害者」というと、障害者手帳を持っている人を指すだろうが、
この規定に「障害者に準ずる」と書かれていることに注目したという。
規定の細説を詳細に分析し、障害者と認定する条件の中に「自立歩行が困難」という条件があるため、杖をついている高齢者など一人で歩けない人も、障害者として認定することができると判断したという。

ーー中略ーー
さらに、病院にとっておいしいのは、障害者病棟では看護師の規定が緩いことだ。
診療報酬制度では、患者の数に対する看護師の数によって、受け取る入院費などの額が違ってくる。
ーー中略ーー
これを逆手にとれば、病院内にいくつかの病棟があって、その一つを障害者病棟とすることができれば、そこでは看護師を置かずとも加算が取れるから、看護師の数を減らし、
その分を他の病棟に回すことができる。

するとその病棟では、患者の数に対する看護師の数が上がるから、そこでもより高い診療報酬を請求することができる。



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