ここ
今月のテーマは
少年老い易く学成り難し
です。
学校の国語の授業で必ずと言っていいほど出てくる有名な言葉
年を取るのは早いが、理想を成就するのは難しい
という意味です。
これは、南宋の儒者、朱熹の有名な詩の一部で、「偶成」という詩です。
全文は
少年老い易く学成り難し
一寸の光陰軽んずべからず
未だ覚めず池塘春草の夢
階前の梧葉已に秋声
で、意味は
年を取るのは早いが、理想を成就するのは難しい。
僅かな時も無駄にしてはならない。
石段の脇に繁るアオギリの葉が秋の訪れでいつしか色づいているように、
自分自身が人生の秋ともいうべき初老の時期にさしかかってしまった。
少年時代を楽しむうち、早くも老境は迫っている。
です。
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東京都足立区に、梅島幼稚園という幼稚園がある。
ここでは、
春夏秋冬シャツ一枚で過ごさせ、丈夫な体を作る
園庭では下駄を履かせる
など面白い試みが行われている。
朝は園舎で朗々と古典を読み上げるのだそうです。
前園長で現在の園長のお父さんが、
「日本の知恵の結晶たる日本文化の素養を培い、日本人としての特性を発揮し、
世界に通用しうる素質を育成したい」
という思いを込めた以下の教育方針を打ちたてたそうです。
「自らの國の古典を識らずして叡智ある21世紀の國際人たり得ない」
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国際東アジア研究センター 客員主席研究員 小松正之さんの記事から
マグロにしても、100kgクラスは尾数ではいまでは全体の0.1~0.2%にすぎない。
日本人がマグロと思い込んで食べているものの大半は2~3kgのヨコワといい、
本来商品上マグロとは呼ばない魚である。
これがスーパーなどでは切り身にしてパックで売られていたり、脂身を添付してネギトロの材料として売られたりしている。
低価格が売りの弁当や回転寿司に出てくる穴子も、いまはウミヘビ種によって代用されているケースがある
美味しく、安くという消費者の過剰な要求が、水産資源の枯渇、そして出自不詳の食材を呼び込んでいる。
マスコミがその方向で大衆をあおっている傾向があるのも問題である。
ーー中略ーー
日本が改革に足踏みしている間、海外はいかにして水産業を活性化してきたのであろうか。
ノルウェーやアイスランドは、総漁獲量(TAC)を科学的な根拠(ABC)に基いてそれ以下に設定し、
個別の漁獲者に漁獲量を割り振る個別漁獲割り当て(IQ)を導入することによって、
水産業の活性化を実現している。
IQには3つのメリットが有る。
一つは資源が回復していくことである。
個別の業者ごとに、いつどのくらいの魚を捕ったかをモニタリングできるので、
漁獲量をTAC以下に確実に抑制できるのである。
2つ目は、漁業者の収入が拡大することである。
個別割り当てが行われていなければ、流通量に見合った漁がなされないため
漁獲が集中し価格が暴落する。
しかし計画的な個別割り当てに沿って漁が行われれば、
市場が欲している魚が的確に供給されるため収入拡大に繋がるのである。
3つ目は経費を抑制できることである。
漁獲高が決まっていなければ、船などの設備をできるだけ高性能で大型化し大量の漁獲をしようと考えるのは当然であり、それが乱獲に繋がる。
しかし個別割当てにそって魚を捕るのであれば、余計な設備を整える必要もなくなり、
経費節減に繋がる。
ーー中略ーー
消費者としては資源の枯渇を認識し、安くて美味しいものに過剰にこだわる姿勢を改める時が来た。
まずは、自分の口にする食品がどのような漁獲の方法と経緯を経て食卓に上ったのか、
我々はもっと関心を持たなければならない。
ここまで
行きつけの料理店のマスターに聞いたが、ヨコワはマグロの子供なので、問題ないようです。
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致知 2014年4月号
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