![]() 【送料無料】死の淵を見た男 [ 門田隆将 ] |
この本はとてもよかった。
故・吉田昌郎福島第一原発所長(当時)などの証言を踏まえ、
当時何が起こっていたのかを説明している本
福島原発事故独立検証委員会の調査報告書はあまりに長いし、わかりにくいですからね
おそらく著者は反原発だろうが、その雰囲気を極力出さないよう、冷静に筆を進めている。
この本を読んで、福島第一原発の作業員の方々への限りない感謝の念が生まれ、
本を読んでいて涙が出てきました。
また、当時の日本の最高責任者である管直人への憎しみを覚えました。
あの人は人の上に立つべき存在ではないのだ、と改めて思います。
福島第一原発がある場所は、もともと戦前、磐城陸軍飛行場として存在していたのだそうです。
様々な話があったので、何回かに分けて記事にしていきます。
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池田(池田元久、元経産副大臣)はまず状況を把握するため、
福島第一原発に詰めていた保安検査官(原子力安全・保安院の原子力保安検査官)の報告を聞いている。
保安検査官は、オフサイトセンターの立ち上げを行う者以外は、
本来なら原発に残って監視と状況把握に努めなければならないはずの政府の担当官である。
だが、のちに問題になるが、その政府の保安検査官が原発を離れ、監視は「放棄」されることになる。
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「自衛隊です。要請に応じて消防車と共に参りました」
「お待ちください。すぐ連絡します」
間もなく案内役の東電の社員が迎えにやってきた。
「自衛隊さん、ご苦労様です。わざわざ来ていただいて・・・」
渡辺たちも、そして迎える側も、福島の人間である。
独特のイントネーションの福島弁での挨拶が終わると、さっそく渡辺は、こうつづけた。
「なんでも、やらせてもらいます。まず何をすればいいですか?」
東電の案内役は、原子炉の冷却活動への協力と、免震重要棟への水の供給など、
やってほしいことがヤマほどあることを告げた。
だが、渡辺たちはそこで足止めを食らった。
不幸なことにちょうどその時間帯に、ヘリコプターで菅首相が福島第一原発に乗り込んできたのだ。
渡辺たちは、ここで一時間半ほど、時間を費やすことになる。