- 語り部の満洲 (1980年)/銀河書房
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満州国に住んでいた方が当時のことを伝える本
そう思って借りたんですが、そういうものもあるけど、戦後史もある。
どちらかというと、満州に住んだことのある方の回想記みたいなものでした。
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後年私が満州電業理事長時代のこと、吉林方面一帯に大豪雨があった。
松花江流域は洪水に怯えたが、
九分通りに出来上がっていた豊満ダムが水量の調節に役立ったため、
下流200万ヘクタールに及ぶ農作物を全滅の被害から免れしめた。
ーー中略ーー
張総理はじめ政府の要人も十数万戸の農民もこれを伝え聞いて感謝した。
その年、フィリッピンの外相が満州国を訪問し、私が豊満ダムに案内したが、
外相はその規模の雄大さとその効用に驚き
「フィリッピンはスペインの植民地として350年(1571-1900)、
アメリカの支配下に40年を経過している。
だが、住民の生活向上に大きく役立つものは一つも作っていない。
満州国は建国わずか10年にしてこのような建設をしたのか」
と歓声を発したのである。
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その結論は日本は今のままではいけない、もっと発展するためには、
”民族共和の王道楽土”という満州建国の理念の会得を、
日本人のものとして日本人全部に普及徹底させることの必要といった、
未来ヘ糸をつよく引くべきものであるに思い至ったのである。