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元・ウォン直接取引解禁へ

中国の習近平国家主席が韓国を訪れ、共同声明を発表しました。

そのうち、歴史問題などについては、想定内でしたから、いまさら感が強かったですが、
この元・ウォンの直接取引には正直驚きました。(ここ
まだはっきり開始するといったわけではないですが・・・

世界の為替はドル本位制といって、ドルを中心に動いています。
これが、アメリカの覇権の要の一つと言ってもいいと思います。

私たちが日本円から他国の通貨に交換する場合、特定のメジャー通貨でもない限りは必ずドルを介して取引が行われます
仮に空港で日本円から豪州ドルへ変える場合、銀行の人は直接豪州ドルを渡してくれますが、
その内部では、日本円から米ドルへ変換し、米ドルから豪州ドルへの変換をを行います。

このように必ず米ドルを通過させることで米ドルには大きなメリットがいくつもあります。

一、通貨がより多く循環する
アベノミクス第一の矢である金融緩和がうまくいったことは、アベノミクス反対派でもさすがにうなずかざるをえないでしょう。
日銀が多くの通貨を市中に出すことで円高が是正されたわけですが、
それ以外にも市中にカネが行き渡ることで多くのお金が使われるようになります。
お金は使われてなんぼで、使われれば使われるほど市場は活況を帯びます。

アメリカドルは、通貨を交換するだけで必ず米ドルの取引が行われるので、
市中でドルが利用されていくことになります。

ニ、制裁を課しやすい
他国に制裁を課す場合、簡単にいえばその国の通貨の取引をアメリカがやめるだけで終わりです。
たとえば、アメリカがドルとウォンの交換を禁止したとします。
これだけで、日本は韓国と貿易が実質できなくなります。
なぜなら、ドルとウォンの交換が出来ないですから、韓国からウォンで買おうにも、ウォンが手に入りません。
イラクなどへの制裁がこれに該当します。


さて、これだけのパワーを持つ、ドル本位制をアメリカは手放そうとするでしょうか。
絶対にありません。
であれば、アメリカは直接取引をしようとする相手に対して、何らかの対処をするでしょう。
逆にアメリカのパワーを削ぎたいと考える国は、他国との取引において、通貨の直接交換をして、アメリカドルを介したくないと考えるでしょう。


今回の中国の動きがそれであると、考えられます。

新聞では、韓国の中小企業にとって、ウォン→ドル→元と2回の取引が1回になるのでメリットが大きいなどと書かれているが、私は全くそう思いません。
ウォンも中国元も、それほど安定した通貨ではありません。
世界でそれほど使われているわけでもありません。
アメリカドル、ユーロ、日本円、イギリスポンド、スイスフランというメジャー通貨は為替も安定し、よく使用されていますが、
それ以外の通貨はそうではないです。

私が疑問に思うのが、元・ウォンの為替予約の取引も直接交換ができるようにするのだろうか
ということ

一般に商業取引では数カ月先に支払いがあることも稀ではありません。
そんな先の為替レートがどうなるかわかりませんので、
特に大手の企業は為替を今のうちに予約して
数カ月先にとんでもない為替レートになっても大丈夫なような保険をかけます。
この保険に該当する通貨の先物取引を「直接交換」でサポートするのだろうか?
というのがあります。

これがないなら、韓国側のメリットは全くといっていいほどないと思います。
ただでさえ、アメリカに敵対視していることになりますからデメリットだらけです。

この取引のメリットはやはり中国側にあるでしょう。
彼らは自国通貨の地位を上げたいと思っていますし、アメリカドルの地位を下げることも同時にできるので一挙両得です。

本格的に韓国は中国への属国化へとなり、韓国は益々泥沼から抜け出せなくなります。

日本には直接のインパクトはありませんが、
韓国が中国への属国化をしていくのは好ましくありません。
何らかの方法で妨害していきたいところですが・・・・
一番ダメージの大きいアメリカの動向を見るか、突っつくしかないのでしょうね


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