山口組自体は戦前からあるが、実質的に今の山口組を作った人といってよいのではないでしょうか。
三代目組長の田岡一雄さんの自伝
なかなか面白い本です。
神戸芸能社という芸能界の会社があって、それが山口組の田岡一雄さんが経営していたことを初めて知った。
そのなかには、三橋美智也、美空ひばりなどがいたようです。
田岡一雄さんと美空ひばりさんの関係もとても興味深かった。
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終戦後、一部の朝鮮人、中国人が横暴の限りを尽くし、
警察力も完全に無視された頃、
警察は山口組のバッジを借りに来て、山口組の名で彼らに睨みを効かせ、かろうじて威信を保ったものである。
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(戦後まもなく)すでに警察は無力化し、神戸は死の街であった。
腕章をつけ、拳銃や鉄パイプで武装した男たちが我が物顔で横行し、略奪物資による闇市の拡張、あいつぐ一般市民への暴行事件に警察は弱々しく目をそらす。
もはや神戸は、われわれの手で町を自衛しなければ、生命、財産さえ危ない極限状態に陥っていた。
わたしは吉川を連れて、暴行脅迫されている同胞を彼らの手から救出して歩いてみたものの、それは焼け石に水だ。
イタチごっこである。
そんな姑息な手段では、彼らを自省させることはできないことを、私は思い知った。
ーー中略ーー
新開地は先代以来の縄張りである。
その新開地も彼らの土足に蹂躙され、白昼から堂々と伝助賭博がひらかれ、
その数は百軒から百五十軒にも及んでいた。
彼らは通行人を強引に誘いこんで、イカサマと脅迫とで容赦なく金品をむしりとる。
さからえば丸裸にされて袋叩きにあう。
警官が来ても彼らは歯牙にもかけず賭博を開帳し続ける。
不遜であり不敵である。
なまじ警官が咎め立てすれば、たちまち暴徒は集団を作って警官を小突き回し、殴る蹴るの暴行を加える。
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