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日本でいちばん長い日 運命の八月十五日 大宅壮一編

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1945年8月14日正午から、終戦の詔がラジオ放送で発せられる15日正午までの宮城(現在の皇居)を中心とした出来事を記したもの
よく、この本は終戦本に参照されている。
半藤一利さんの本ではないので、ご注意を

この日、陸軍の一部がクーデターを起こしてラジオ放送を阻止する企てがあった、というのは聞いていたが、この本を見る限り、かなり大掛かりだった。
正直、二・二六事件のようなもので、上官が自分の計画に反対するがあまり射殺し、宮城の近衛兵の実権を握り、危うく終戦を迎えられなかった、というもの

なぜ、この事実がもっと大々的に国民に知らされていないのかよくわからない。
反乱を起こした軍部に対して毅然たる態度を取った軍部上層部、及び閣僚に対して非難をしずらくなると考えるからなのだろうか。

そして、初めて知ったのだが、14日の段階で各マスコミの記者は終戦の放送があることを知らされていた、ということだ。

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天皇はいった。
これ以上戦争を続けることは、我が民族を滅亡させるのみならず、
世界人類をいっそう不幸に陥れるものである。
自分としては無辜の国民をこれ以上苦しめることは忍びないから、すみやかに戦争を終結せしめたい。
開戦以来、軍の言うところと実際の間にはしばしば食い違いがあった。
現に軍は本土決戦などというけれども、九十九里浜の防備さえできていないではないか。
もちろん忠勇なる軍隊の武装解除など忍びがたいものがある。
しかし、今は忍び難きをしのばねばならぬ時と思う。


御聖断は下った。
8月10日午前2時30分、天皇の言葉に、あるものは声を出して泣き、あるものは声を殺して泣いた。

日本のいちばん長い日 (角川文庫 緑 350-1)/著者不明
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