紛争は、人が二人いれば起こりうる。
世界で起こっている大規模な武力紛争も、もとをたどると一部の権力者の勢力争いや、利権を巡る争いがきっかけで起こっている。
一般の人達が、それに煽られたり巻き込まれたりすることで、紛争が拡大していくことが多い。
銃弾が飛び交う紛争地で生きる人々は、何かを自分で選ぶことが出来ない。
停戦合意や和平合意が結ばれ戦闘状態が収まると、誰かにいきなり命を奪われる確率はぐっと下がる。
とりあえず、生きていくことができるという選択肢は生まれる。
それでも、紛争の直後で、食べるものもなく、家も壊され、怪我や病気を治す医者も病院もない状態では、最低限必要な生活すらままならない。
そこに、食料、住居、医療などの支援が届けば、数週間後、数カ月後、どのように生きていくかを考えることができるようになり、さらに生きるための選択肢が増える。
復興が進み、学校建設や街の開発などが始まれば、自分の意志で進路や職業が選べる選択肢が増えていく。
違法な武器や犯罪を取り締まる仕組みが整備され、他人を傷つけないルールをみなが守る社会になると、何の理由もなく自分の生活が脅かされる心配をしなくても済むようになる。
そして、子供や家族の将来の人生を計画し、どのような社会を築いていくかを選ぶことができるようになっていく。
そうやって自分で選べる生き方の選択肢が多いほど、その社会は平和な状態だと思う。
職業は武装解除 瀬谷ルミ子 より
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紛争、そして平和な状態
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