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もう、きみには頼まない 城山三郎

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戦後間もない頃の労働闘争が激しかった東芝を立て直し、
高度経済成長へと向かう日本の経団連の会長を歴任した石坂泰三のお話

この本の中で、ニューヨークで本格的な日本食レストランを開き、日本食ブーム・寿司ブームの立役者となった倉岡伸佳さんと、石坂泰三さんとの関係が描かれていた。
石坂泰三さんがこのレストランを何回か訪れ、知人にもそのレストランをすすめていたようです。
なかには、元首相の田中角栄さんもいたようです。

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歴史の皮肉というか、「アメリカ帝国主義」と攻撃しているのに、
当の連合国軍総司令部、とくに民政局が、労働運動を日本の民主化の動きとして煽っていた。
そのことに対する怒りを、石坂は度々日記に書いている。
アメリカは日本人を骨のある国民と考え、占領政策ではその骨抜きのために、
「思い切って左にネジをかけたのであろう。
ところがその実はそうではなかった。
ネジは左に巻きすぎた」

その必要はなかった。
石坂は日比谷の自社ビルで目撃した光景を腹立たしく思い出す。
「日本人ほど骨のない御しやすい国民はないのではないか。
GHQに出入りする将軍連に対する日本警官の直立不動の敬礼は、
世界中に見られない光景である。
彼等は外国人に敬礼する機会を得たことを、誇りとし光栄としているのである。
あきれ返ったことである」(昭和22年の回顧)

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