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ご冗談でしょう、ファインマンさん R・P・ファインマン

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ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)/岩波書店
¥1,155
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ノーベル物理学賞受賞者ファインマンの自伝

ファインマンは戦時中、金庫破りが上手になってしまった。

「これで僕も誰にも負けない金庫破りの本が書けるぞ」と僕は思った。
まず冒頭に今までの金庫破りが絶対に出くわしたことのないような、もっとも重大な
、むろん生命はは例外だが、もっとお価値ある中身をもつ金庫を、
ものの見事に開けた・・・と書くことにしよう。
この中身に勝てるものはあるまい。
金の延べ棒や毛皮なんか比べ物にならない。
何しろ僕は原爆の秘密が全部入った金庫を見事開けたのだ。
プルトニウムの生産スケジュール、精製過程、必要な原料の量、爆発までの反応過程、
中性子発生の仕組み、原爆の設計、その仕様等々、
ロスアラモスでわかっていた原爆に関する情報が一つ残らず入っている金庫をである!


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「教育の平等に関する道徳性」という主題を、自分がどういうものと考えているかをまとめ、
さらに討論の対象となるような問題の例を挙げた。
たとえば教育というものは、人の平等性より「違い」の方を増進することになる。
ある人間が得意とするものを持っていると、われわれは教育によって
その能力をもっと成長させようとする。
その結果その人間と他の者との違いが大きくなり、不平等になる。
教育が不平等を増進するのであればこれは道徳的といえるだろうか?

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ノーベル賞受賞に際してスウェーデンの国王主催の晩餐会における日本大使との会話
ファインマン
「一体全体日本をこのような国に育て上げることができたのは、
日本人のどういう特性によるものでしょうかな?」

大使
「さあ、どうですかな。どうもこれは私にはわかりかねますな。
まあ見当はつきますが、それが必ずしも正しいかどうかはわかりませんしね。」
「「とにかく日本人は向上するには子供を自分以上に教育するしかない、
そのためにはぜひとも百姓仕事から脱出せねばならんと信じている。
だから子供たちが学校でよく勉強するよう、どんどん前進するよう
励ます熱気が家庭の中にみなぎっている。
絶えずものを学びとるという、このような姿勢のおかげで、
外国からの新しいアイデアはこの教育システムを通して容易に伝播され、
浸透して拡がってゆく。
これがまあ日本の急速な発展の一つの理由とでも言えましょうかね。」


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