維新の頃からの偉大な先人の足跡をたどる本
私はこの著者が好きだが、この本は12人の先人の足跡をたどっているため、
各人の説明が必然的に少なく、充分に伝わってこない。
やはり、著者の作品はこうしたざっくりしたものではなく、
一人に対して一冊あるいは二冊費やすほどの伝記ものが好ましいと思う。
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岩崎弥太郎
坂本龍馬のつくった貿易会社(亀山社中)が海援隊と名を改め、土佐商会の別働隊のようになると、その経理を担当することになる。
ーー中略ーー
後藤象二郎からの手紙が届く。
そこには、”七月に廃藩置県が行われる予定であり、政府の手で藩札と太政官札の引き換えが行われるはずだから、暴落している藩札を今のうちに買い集めよ”と書かれていた。
今なら明らかなインサイダー取引だ。
ともかく弥太郎は、その言葉を信じて藩札を買いに買った。
ここまで
亀山社中にいたことも初めて知ったが、
現在の三菱の資金源のルーツはこの、今で言うインサイダー取引で稼いだお金にある
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安田善次郎
彼が創業した安田銀行(後の富士銀行、現在のみずほフィナンシャルグループ)は、
長きにわたって日本最大の資金量を誇り、金融界に君臨し続けた。
そしてこの安田銀行を中核として、安田生命(現在の明治安田生命)、
安田火災海上(現在の損保ジャパン)、安田信託(現在のみずほ信託銀行)などを擁する、
我が国最大の金融グループ(安田財閥、後の芙蓉グループ)が形成されていく。
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田中久重
彼(田中久重)自身は嘉永二年(1849)から、”田中近江大掾(だいじょう)”と呼ばれるようになっていた。
”大掾”というのはもともと官位である。
古来名工は、朝廷からこうした名前(受領名)を名乗ることを許されていた。
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早矢仕有的
この早矢仕が産んだのがハヤシライスなのだそうだ。
そして、彼は丸善の創始者
![]() 日本を創った男たち はじめにまず“志”ありき / 北康利 【単行本】 |