中国経済が沈む沈むと叫ばれて早何年だろう
最近、中国経済が私たちが想像するような沈み方にはならないのではないか、と思い始めました。
少なくとも私が以前考えていた沈み方は、
突然金が回らなくなり、大不況が到来し、中国のGDPがみるみる落ちていく状態
を指します。
中国の国土はとても広く、経済の発達度合いもまちまちです。
ここ15年から20年ほどは北京、上海、広東などの沿岸部が発達してきました。
最近、沿岸部のバブルがはじけ、多くの損失が出ているわけです。
しかし、損失が出る一方で、資金を回収した人もいるでしょう。
仮に70%の資金が取り戻せていた場合、その資金を内陸の未開発の地域に投資をすることができます。
そもそもその投資も国の政策次第ですから(民間資本はあまりない)、計画的に行えます。
内陸部Aの資金70%でそこそこ発展し、そこもバブルがはじける、というかマンション建てても買い手もあまりいないでしょう。
仮に70%がまた回収できた場合、70%*70%で50%弱になります。
そのお金をまた別の内陸Bに投資→内陸C・・・・
という風になる可能性があります。
当然、成長率は顕著に鈍化していくでしょうが、全国が一斉に不況になっていく事態は避けられるのかもしれません。
広大な国土と、計画経済(というか統制経済)のなせる業といえるのでしょうか。
それが全国土に投資が行き届いた頃には、次の点が焦点となるでしょう。
・海岸部の経済がどこまで回復しているのか
・民間資本、民間投資がどこまで強くなっているのか
経済が没落しない、ということは人件費は上がったまま、ということでもあります。
人件費が上がったまま、投資が行われない状況では、投資がひと通り終われば国内の産業はこれ以上伸び悩むと思います。
これから10年かそこらで民間資本が大きくなるとも思えない(中国共産党がその支配力を弱めようとはしないでしょう)ので、国内投資が行われなくなるのは間違いないでしょう。
すると、やはり中央政府の息のかかった国策企業は、その触手を海外に伸ばしていくしかないのではないでしょうか。
しかも、少々乱暴な手を使ってでも・・・
このような状況では、
中国からの商品が高止まりして世界で売れなくなるかもしれませんが、
没落するわけではないので、一定程度の購買力が見込まれ、
中国への輸出商品はまだ当面は増えていくということになります。
経済業界としては
・中国への輸出産業:ある程度の拡大のチャンス
・中国からの輸入産業:別の輸入先の模索
となっているはずです。
ただ、中国の対日感情はそれほどよくはないので、他の国に比べて圧倒的に強い分野以外は、
別の国を開拓してシェア確保を狙ったほうが得策のような気がします。
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中国経済がまだ沈まない
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