昔からこの本の存在は知っていたんだが、イメージとしてエッセイのようなものだと思っていた。
結構固めの内容で小さなお話が集まっている。
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クラウゼヴィッツの「戦争大意」という大著の中にナハリヒトという言葉が出てきますが、
これを森鴎外が苦心惨憺のすえ「情報」と訳したのが由来のようです。
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ロボットの語源はチェコ語のロボタであり「奴隷」「賦役」という意味なのだ。
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昭和天皇に生物学を学習院で御進講したのが服部広太郎
「私ははじめからこう信じていた。
自然科学というものの道筋は、事実に即してそれから理論に入るのが本道である。
そのためにはどうしても現場に接触しなくてはならん。
現場に接触するためには、われわれのほうの部門で言えば動植物を採取しなければならん。
そして自分で観察しなければならん。
たとえ陛下でも生物学をおやりになる覚悟が絶対に必要である。
補助員がお膳立てをしたのを見ても何にもならん。
こういう方針でゆきました」
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裕仁親王(後の昭和天皇)の侍女を務め、後に終戦の決断をする鈴木貫太郎の妻となる足立たか
御殿内の料理に魚を使う場合、鯛、ヒラメ、鮎のような白身の魚しか使わないという習慣があることだった。
赤や青味の鮪、秋刀魚などはご法度だったのである。
たかは、裕仁親王(当時は迪宮:みちのみや)はもちろん、
長じて社会に出られる淳宮は幼少の頃から何でも食べておいたほうがよい、
ことに秋刀魚は味も良いし栄養価も高いからと考え、
ある秋の夜、「あきがたな、と申す魚でございます」と言って、
秋刀魚を食膳に供した。
脂の乗った秋刀魚に皇孫たちは舌鼓を打った。
が、足立侍女のひそかな忠義が露見することになる。
以下、「秩父宮雍仁親王」(編纂者・芦澤紀之)の記述による。
「翌年、淳宮が参内されて、皇后陛下のご機嫌伺いに参上したとき、
ちょうど昼食時となったので、女官が淳宮に何かお好きなものをとおたずねしたところが、
淳宮は”あきがたな”をご希望になった。
しかし、あいにく、このとき宮中では”あきがたな”など誰も知っているものがなかった。
直ちに御殿にいた足立侍女へ女官から電話が入り、足立侍女は苦笑しながら正直に答えると、
女官や大膳の人々は、秋刀魚と知って驚いたという。
まさか、淳宮が秋刀魚の味をご存知とは思いもよらなかったのである。
後日、このことが宮中での評判となり、やがて東宮妃殿下のお耳に達した。
女官からの報告を受けられた妃殿下は、幾度もうなずかれながら、丸尾御養育主任や足立侍女の配慮を心からお喜びなされたという」
もし、足立侍女が「あきがたな」を食膳に乗せなかったら、天皇家の人々は、
いつまで鮪や秋刀魚の味を知らなかったろうか。
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私たちの生活の中に浸透している小型モーターは、海外生産の分も含めると、
世界のシェアの60%を占めている。
マイクロ・モーターに至っては90%である。
かりに日本のモーター製造分野で異変が起こると、世界中の工作機械・医療・兵器・自動車・家電の製造はもちろんのこと、電化生活も大恐慌を起こすに違いない。
結構固めの内容で小さなお話が集まっている。
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クラウゼヴィッツの「戦争大意」という大著の中にナハリヒトという言葉が出てきますが、
これを森鴎外が苦心惨憺のすえ「情報」と訳したのが由来のようです。
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ロボットの語源はチェコ語のロボタであり「奴隷」「賦役」という意味なのだ。
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昭和天皇に生物学を学習院で御進講したのが服部広太郎
「私ははじめからこう信じていた。
自然科学というものの道筋は、事実に即してそれから理論に入るのが本道である。
そのためにはどうしても現場に接触しなくてはならん。
現場に接触するためには、われわれのほうの部門で言えば動植物を採取しなければならん。
そして自分で観察しなければならん。
たとえ陛下でも生物学をおやりになる覚悟が絶対に必要である。
補助員がお膳立てをしたのを見ても何にもならん。
こういう方針でゆきました」
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裕仁親王(後の昭和天皇)の侍女を務め、後に終戦の決断をする鈴木貫太郎の妻となる足立たか
御殿内の料理に魚を使う場合、鯛、ヒラメ、鮎のような白身の魚しか使わないという習慣があることだった。
赤や青味の鮪、秋刀魚などはご法度だったのである。
たかは、裕仁親王(当時は迪宮:みちのみや)はもちろん、
長じて社会に出られる淳宮は幼少の頃から何でも食べておいたほうがよい、
ことに秋刀魚は味も良いし栄養価も高いからと考え、
ある秋の夜、「あきがたな、と申す魚でございます」と言って、
秋刀魚を食膳に供した。
脂の乗った秋刀魚に皇孫たちは舌鼓を打った。
が、足立侍女のひそかな忠義が露見することになる。
以下、「秩父宮雍仁親王」(編纂者・芦澤紀之)の記述による。
「翌年、淳宮が参内されて、皇后陛下のご機嫌伺いに参上したとき、
ちょうど昼食時となったので、女官が淳宮に何かお好きなものをとおたずねしたところが、
淳宮は”あきがたな”をご希望になった。
しかし、あいにく、このとき宮中では”あきがたな”など誰も知っているものがなかった。
直ちに御殿にいた足立侍女へ女官から電話が入り、足立侍女は苦笑しながら正直に答えると、
女官や大膳の人々は、秋刀魚と知って驚いたという。
まさか、淳宮が秋刀魚の味をご存知とは思いもよらなかったのである。
後日、このことが宮中での評判となり、やがて東宮妃殿下のお耳に達した。
女官からの報告を受けられた妃殿下は、幾度もうなずかれながら、丸尾御養育主任や足立侍女の配慮を心からお喜びなされたという」
もし、足立侍女が「あきがたな」を食膳に乗せなかったら、天皇家の人々は、
いつまで鮪や秋刀魚の味を知らなかったろうか。
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私たちの生活の中に浸透している小型モーターは、海外生産の分も含めると、
世界のシェアの60%を占めている。
マイクロ・モーターに至っては90%である。
かりに日本のモーター製造分野で異変が起こると、世界中の工作機械・医療・兵器・自動車・家電の製造はもちろんのこと、電化生活も大恐慌を起こすに違いない。
![]() [単行本]【中古】【メール便不可】昭和天皇と秋刀魚/草柳大蔵 |