この本は、イスラム教のコーランをキリスト教徒向けに解説した本
解説の塩野七生さんも言っているが、キリスト教徒でなく、宗教に疎い日本人にはちょっとわかりにくい点が多い。
この本を読んで知ったのだが、預言者ムハンマドの妻の一人に、アーイシャがいる。
彼女はイスラム世界ではとても有名であるようです。
このことからも、女性を大事にしている宗教ということがわかる。
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コーランを解釈する際の特に重要な基準は歴史である。
歴史的文脈の中でコーランは「一つの微の書」になった。
意味の複数の層が、世代を超えて、さまざまな受け手に向けて、弛むことなく再解釈され続けてきた。
歴史から切り離してみると、コーランは「ただひとつの微の書」となる。
ただひとつの意味が、時と場所を超えて一貫して適用される。
コーランの読み方は一つだけか、複数あるのか?
敬虔なムスリムたちの意見は分かれる。
コーランの読み方は一つだけであるという立場の者たちは、コーランの解釈の共同体の中で一つの視座を占める。
彼らは原理主義者と呼ばれるが、絶対主義者とするほうが理解しやすい。
彼らはコーランを、ひいてはイスラーム教そのものを、原初的なものと考えるからである。
コーランの原型は天国にある。
それは「ウンム・アル・キターブ(書物の母)」と呼ばれ、文字通り書物を超えた書として、
「神の言葉」の完全な記録である。
それは時を越え、歴史を超える。
人間がどう考えようと、地上世界がどう移り変わろうと、影響をうけることはない。
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コーラン ブルース・ローレンス
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