Quantcast
Channel: 読書は心の栄養
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学

$
0
0

カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書 第2巻 分子遺伝学 (ブルーバックス)/講談社
¥1,575
Amazon.co.jp
この本はアメリカの多くの大学で使われている教科書だそうです。
この細胞生物学においては
細胞分裂
遺伝の仕組み
遺伝子
ウイルス
について学べます。

===============

大腸菌のDNAを伸ばして円形にすると、その外周は1.6ミリメートルである。
大腸菌自体は直径約1マイクロメートル(1ミリの1000分の1)、
長さ4マイクロメートルしかない。

<ヘンリエッタ・ラックスの不死化細胞>
ヘンリエッタ・ラックスは戦後まもないがん患者で、
彼女のがん細胞を体外で培養することに成功し、著しい増殖能力を持ち、
医学に多大な貢献を残したことで、この細胞はHeLa細胞と呼ばれる。
この細胞により、ポリオウイルスなどのワクチンが開発されるなどしたが、
彼女は残念ながらガンで亡くなった。

<DNAがどう折りたたまれて染色体を形成するか>

いかにギッシリ詰まっているかが一目瞭然です



<遺伝子の乗り換え>
二つの似ている染色体(相同染色体)は、互いの遺伝物質を交換する。
これを乗り換え、あるいは交換と呼ぶ。
これを利用して雌雄の遺伝子を交換、組み換えて子孫へと繋げていく

<細胞の死>
細胞の死には、攻撃を受けたり栄養の欠如などによる死(ネクローシス)と、
あらかじめ特定の条件で死ぬようプログラムされている死(アポトーシス)がある。
アポトーシスは細胞の自殺と言える。

例えば、ヒトの胎児は最初、指の間に水かきがあるが、生まれるときにはそれは無くなっている。
がん細胞も通常はこのアポトーシスによって自動的に死ぬ

<RNAウイルス>
通常DNAから特定のタンパク質を作り出すレシピ、RNAが転写され、
それを翻訳することでタンパク質が作り出される。
RNAが作られた後、そのRNAがRNAやDNAを作ることはない。
また、タンパク質からRNAを作ることもできない。
これを生物学のセントラルドグマと呼ぶ。


しかし、このルールに従わないものがある。
ウイルスである。
ウイルスは自分の遺伝子をRNAの中に保持しているため、
細胞内で自分のRNAを増殖させる。

さらには、RNAからDNAをつくりだしてしまうものもある。
レトロウイルスである。
HIVウイルスなどが例にある。
レトロウイルスのRNAはそこからDNAのコピーを作り出すし、
それを元にRNAが複製される。
当然そこから特定のタンパク質も作られる。

<遺伝>
単純な遺伝

下の図では、優れた豆と劣った豆を掛けあわせた場合、
子供は優れた豆のみが表面上見られる。
しかし、その子供通しをかけ合わせると、
孫世代には劣った豆が4分の1の確率で現れる。

これを利用したのが農業のF1品種、通称ハイブリッド品種と言い、
種苗会社は特定の親同士を掛け合わせることで、
優れた種を生み出す。
農家はその種を買い、栽培する。
その農作物を再利用、つまり実の種を翌年使用すると、
どうしても劣った性質の農作物が現れ始める


<ウイルス>
ウイルスは非細胞体で、必ず宿主となる細胞に寄生し、
その宿主細胞のDNA複製機構、タンパク質合成機構を利用して
自らの増殖を行い、宿主を破壊して新たな宿主を探していく(感染)


<チーター>
チーターの総数は1万2000頭ほどだが、その遺伝子はほぼ同じである。
DNA配列もほぼおなじである。
このため、一度何らかの病原体に抵抗できなくなった場合、全滅する危険が高い。
遺伝子がほぼ同じということは、今後の進化も難しく、かつ多様性がないため
「特定」の環境でしか生きられないことになる。

<ヒトの胎児>
グロビンタンパク質にはα、β、γ、δがある。
ヒトは生まれると、α:50%、β:だいたい50%、γ:ほぼ0%、δ:ほぼ0%であるが、
胎児の頃はβはほぼ5%、γ:45%ぐらいと比率がβとγで逆転している。
この比率は出産直前にスイッチされる。

γグロビンを持つ胎児のヘモグロビンは、成人のヘモグロビンよりも酸素を強固に結合する。
母体と胎児の循環血液が近接する胎盤では、この酸素結合力の差により酸素が母体側から胎児側へと移行する。
出産直前に、肝臓での胎児型ヘモグロビンの産生は停止し、
骨髄細胞由来の成人型ヘモグロビンへと引き継がれていく。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

Trending Articles