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リビジョニスト(歴史修正主義者)とは

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致知2015年5月号の渡部昇一さんの連載記事より

そもそも思想上の修正という意味で使われていたリビジョニストという概念を
歴史修正の意味で捉えたのがアメリカです。
それにはこういう背景がありました。
アメリカは第一次世界大戦に参戦、戦場となった欧州に兵を派遣し多くの死傷者を出しました。
しかし、当初は中立的立場にあったアメリカが欧州に出向いて戦争をしたことで、
戦後になると一般国民の間からは
「自分たちは何のためにドイツやオーストリアと戦ったのだろうか」
という疑問は批判の声が出始めたのです。

これを受けてアメリカの歴史家たちが大戦についての検証をはじめました。
そこでの結論は、戦争の引き金を引いたと思われていたドイツが軍事動員令を出したのは
当事国では最後であり、強硬な対独色を打ち出していたフランスのポアンカレ内閣にこそ勃発の原因がある、ということでした。
明確なる歴史の修正が行われたわけです。

ところが、その結論が出るのと時を同じくして登場したのがヒトラーでした。
そうなると、アメリカがドイツの言い分を認め、歴史を見直したことが、
逆にヒトラーを弁護しているかの如く誤解されてしまったのです。
リビジョニストが、ナチスドイツのような全体主義、独裁主義を賞賛する人間の代名詞になったのはここからです


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