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最強の未公開企業ファーウェイ 田濤 呉春波

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ファーウェイ(華為)という中国最大の通信機器業界がある。
この会社についての本が出たというので図書館で借りてきた。
非常に人気で、数ヶ月待たされたのだが、読む人は気をつけてほしい。

この本は明らかに会社の宣伝本であり、中身を鵜呑みにしてはいけない。
至る所に、ファーウェイを危険視するのはやめよう、それは幻想だ、というと共に、
中国政府とは全く関係がない、創業者が軍出身だが共産党とは全く関係ない、
ということをアピールしている。

ただ、この本で初めて知ったのは創業者の任正非が会社の株の1.4%しか所有していないということ。
残りは従業員で所有しているという。

ただし、残りの98.6%がどのように所有されているのか、
本当に従業員にまんべんなく所有されているのか、はたまた特定の政党であったり、特定のグループによって残りの多くが所有されてはいないのか?という疑問には答えていない。

さらにいえば、中国の非公開企業において、(公開企業であっても)株に実質的な意味があるのかは怪しい。

私はいくつかファーウェイに関する記事を紹介しているが、(ここここ)特に疑念が解消されることはなかった。

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2012年3月の全国人民代表大会(全人代)では、
総勢2987名の議員のうち156名が上場企業のトップだったという。
家電大手のハイアール・グループを率いる張瑞敏は、2001年に「全国優秀共産党員」の称号を与えられ、翌年から共産党中央委員会候補委員を務めている。
IT大手のレノボ・グループの総帥である柳伝志も、共産党全国大会代表や全人代議員、中華全国工商業総合会副主席などを歴任した。

ところが、中国のビジネス界で張や柳と並び称される任は、軍隊時代の1982年に全人代議員に選ばれたのを最後に、
政治に関わるいかなる肩書も役割もになったことがない。
中央政府はもちろん、地方政府の議員や政治協商会議の委員さえ引き受けていないのだ。



最強の未公開企業 ファーウェイ: 冬は必ずやってくる/東洋経済新報社
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