この本は、第二次世界大戦前からフランス敗北に至るまでの、「フランス国内」及び「イギリス国内」の世論や動静を描き、なぜフランスがあっという間に敗れたのかについて書いた本
著者はフランス人で、当時から評論家として度々フランスの無自覚さを批判していた。
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私な何度かの機会に、わがフランスの空軍状態を、その方面の権威者に訊ねてみた。
しかし、その答えはきまって逃避的であるか、又は明らかに悲観的なものであった。
「もしも開戦となれば」とリヨンの爆撃隊司令官は私に語った。
「われわれは勇敢に死ぬのみだ。
これだけがわれわれの為し得ることだ。」
「なぜです?」と私が訊ねると、
「わがフランス空軍は、第一に兵員が極めて少ない。
機体に至ってはお話にならぬほど旧式だから・・・」
1936年には更に状態が悪化した。
労働者の怠業、政府当局の無気力、官僚政治の繁文縟礼、並びに政府買上げに対する委員会の不当なる要求などのために、フランスの生産はほとんど零になった。
1937年にはフランスの月産飛行機数は38台という信じられぬ数字になってしまった。
それに反して当時、ドイツでは月産機数一千台を超過していたのである。
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作者が記したフランスの救済策
強くなること
国民は祖国の自由の為にはいつでも死ねるだけの心構えがなければ、やがてその自由を失うであろう。
敏捷に行動すること
間に合うように作られたる一万の飛行機は、戦後の五万台に優る。
世論を指導すること
指導者は民に行くべき道を示すもので、民に従うものではない。
国の統一を保つこと
政治家というものは同じ船に乗り合わせた客である。
船が難破すればすべては死ぬのだ。
外国の政治の影響から世論を守ること
思想の自由を擁護するのは正当である。
しかし、その思想を守るために外国から金をもらうのは犯罪である。
非合法暴力は直接的かつ厳重に処罰すべきである。
非合法暴力への煽動は犯罪である。
祖国の統一を撹乱しようとする思想から青年を守ること
祖国を守るために努力しない国民は、自殺するに等しい。
治めるものは高潔なる生活をすること
不徳はいかなるものであれ、敵に付け入る足がかりを与えるものである。
汝の本来の思想と生活方法を熱情的に信ずること
軍隊を、否、武器をすら作るものは信念である。
自由は暴力よりも熱情的に奉仕する値打ちがある。
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フランス敗れたり アンドレ・モーロワ
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