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物理講義 湯川秀樹

京都大学の湯川秀樹教授(日本初のノーベル賞受賞者)が、
東京の日本大学で、関東圏の大学院生に向けて講演した講義

物理学の大学院生向けなので、私のような文系には面白くない内容が多かった。

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ここに生まれつきのめくらだった人がいて、その人が手術をして目が見えるようになったとします。
ところが、急に物が見えるようになっても、はじめのうちは何を見ているのかはっきりしない。
つまり、図形認識能力というのは、目が見えるようになってからだんだんに発達してくるわけです。
心理学者はこの図形認識のプロセスを調べるために、非常に簡単な図形、三角形を見せて、
こういう人の視線がどう動くかを追跡したんです。
すると、この人の視線は、だいたい三角形の縁に沿って何度も何度もうろうろと動き回る。
それが時間がたってきますと、だんだんと落ち着いてきて、ぐるりと三角形の縁をなぞるようになる。
短い時間のうちにそうなるわけです。
これで三角形が見えた、と思うわけです。

ところが、われわれ普通の視力を持った大人はどうか?
これをやはり同じようにして調べますと、この視線はいちいち三角形の縁をたどるようなことはいっさいしない。
詳しい動き方を説明したってしようがありませんが、
要するに三角形の頂点の近所をさっと動くだけで、これで三角形認識ができたというわけです。

物理講義 (講談社学術文庫)/講談社
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