Quantcast
Channel: 読書は心の栄養
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

小説 岸信介 山岡荘八

$
0
0
常々思うが、首相が在任中の政策およびそれに対する思い、
どう合意に結びつけたか、などについて書かれた本を読んでみたい。

この本もそうだが、ほとんどが生まれてから首相になるまでに割かれていて、
国民として知るべきであろう、政策についてあまりにも書かれていないように思える。


この本で知ったのだが、
岸信介は毎日新聞の山地記者と組んで、あの戦時中に軍部の勢いを削ぐべく、
毎日新聞紙上で「政党復活論」を掲載し、
現在政治の上に統帥権がある状況を打開し、
あるべき政治が統帥権の上にある状況を作るべきであることを主張していた。
憲兵隊からもにらまれていて、よく殺されなかったと思う。

===================

最も日本人の人の良さを暴露していたのは、この尾崎(尾崎秀実、ゾルゲ事件)の提唱した「東亜新秩序論」がそのまま近衛や軍部の唱道する「東亜新秩序論」になっていたことだった。
おそらくこんな滑稽な話はどこの歴史にも見出せまい。
ーー中略ーー
原稿の最後に記された尾崎の供述書の一句が、鋭い刃物のようにある連想を彼の胸に呼び起こさせたのだ。
その一句はこう結ばれている。
「私は、日本にもドイツにも決して早く負けてもらいたくないのです。
できるだけ長くひろく南方諸民族の解放をスローガンにして戦ってもらいたいのです。
そして、できるだけ米英に対抗していって、彼らの力を弱めてもらいたいのです。
そうすれば当然日本も疲労して、ソ連や中国共産党の側にたたねばならなくなり、
ドイツやドイツでヨーロッパの赤化を前進させて、第二次世界大戦は大きく世界の変革に寄与するのですから・・・」

岸が愕然としたのは、ここにこれを述べた尾崎はすでに亡いのに、
日本の陸軍はいま、彼の願望のままに行動しているという動かしがたい事実の符合に気づいたからであった。

===================

東京裁判における岡田資中将の証言

裁判官
「では、司令官である君は、B29の搭乗員を捕虜として扱わず、如何なる理由によって国際法を無視して、銃殺に処したり斬ったりしたのか」
岡田
「搭乗員のうちで捕虜として扱い、現に貴軍に引き渡した者もあることを想起されたい。
にもかかわらず一部の者が処刑されたのは、彼らが何の軍施設もない東海道の無防備小都市に無差別爆撃を加えてきたからである。
甚だしきに至っては、そうした小都市をまず外側から円を描いて焼き、
戦争とは直接関係のない老若男女が逃げられないように出口を焔でふさいでおいて、
中に爆弾の雨を降らして虐殺した。
またあるものは校庭で遊んでいる小学生を襲った。
かくのごとき鬼畜に類する者の行為は、国際法にもどうせよという規定はない。
そもそも国際法というのは、今日の文明国相互の間には、そうした鬼畜のような残虐行為をする者はないという前提の元に成り立っていると考える。
したがってかような鬼畜の処分は、八つ裂きにしてもよし、火あぶりにしてもよいと解釈して差し支えない。
が、私はそれを敢えてしなかった。
日本には古来から武士道が厳として存在する。
したがって、これらの鬼畜をも武人として扱った。
銃殺がそれであり斬ったのがそれである。」

小説岸信介 (1959年)/第一世論社
¥価格不明
Amazon.co.jp

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1745

Trending Articles