この本は2部に分かれている。
第一部は20人の科学者・学者などの識者によるこれからの日本の未来に対する希望・課題について述べている。
こちらは非常に優れていて、別段自民党の影響があるとも思えない。
iPS細胞の山中教授も寄稿されています。
第二部は、国家戦略本部の自民党員がそれぞれなんか書いているが、
文章を読んでも、彼らがこの識者の文を本当に読んだのか、そして理解しているのか全く疑問に思う。
正直どうでもいい。
個人的な希望としては、第1部についてはネットでも自由に読めるように公開してほしい。
これは政治のスタンスを超えて読むべき内容が詰まっている。
====================
先進国と途上国の一人あたりGDPの格差が縮んできていることがわかる
人口あたりの自動車保有量は0.5近辺で止まるようで、
中国もこのペースだとだいたい7,8年で飽和するようだ。
つまり2020年ぐらいというところか
その前に経済がだめになってペースは保てないように思えるけど・・・
===================
==================
三菱総合研究所理事長 小宮山宏さんより
健康診断を受けていなくて自分が重度の糖尿病だと知らない人たちも多い。
中小企業に勤める人々や専業主婦など、定期検診のプログラムに入っていない人たちもそうであろう。
このニーズに対応し、ケアプロという会社が「ワンコイン検診」を実施して、
受信者が10万人まで増えた。
しかし、医者以外が採決すると原理的には傷害罪になるので違法だという、信じられない主張をする人たちもいる。
チップの先に小さな針がついていて、一滴血液を採るだけのことにもかかわらずである。
ここまで
ワンコイン検診はここ
検診を受けていない方は、是非活用を
====================
野村総合研究所顧問 増田寛也さんより
現在、出生率が比較的高い地域も、人口移動が収束しない限り、消滅する自治体が次々と出てくる。
たとえば、宮崎、鹿児島、沖縄は、出生率が1.6以上と日本の中では高い。
これだけを見れば、自治体が次々と消滅していくようなことはない。
しかし、実際には、これらの地域で生まれた子供は、ある程度育つとみんな東京に出て行ってしまう。
ーー中略ーー
最も消滅しかねない市町村が多いのは秋田である。
約95%の自治体が消滅する見通しだ。
残る自治体は大潟村一つだけだ。
大潟村が残っていけるのは、農業の後継者がいるためである。
若い人たちが居着いているのだ。
=================
JAXA理事長、奥村直樹さんより
現在、ISS(国際宇宙ステーション)では、高齢者の健康を維持していくための医療研究を進めている。
JAXAは、「きぼう」という日本実験棟をISS内に持っている。
ここは無重力の環境であり、人間が生活していると、骨に力が加わらないため、骨が早く溶けてしまう現象が生じる。
このため、骨はどんどん弱くなってくる。
また、筋肉にも力が加わらないため、筋肉も弱体化していく。
つまり、ある種の高齢者特有の病気の加速実験の場となっている。
こうした環境を使うことによって、骨の劣化を防ぐための方法、あるいは筋肉の弱体化を防ぐ方法を、宇宙で研究している。
==================
JAXA理事長、奥村直樹さんより
衛星で広い海域の中から、魚がいそうな場所を特定することができる。
遠洋まで魚を捕りに行くとき、どこに魚がいるのか見つけるのは、漁師の腕の見せ所だった。
最近は、衛星から海面の温度やプランクトンの分布を観察して、無駄なく漁場に到達できるようになっている。
その結果、高騰している漁船の燃料代を減らすことができるまでに至った。
実際に利用する漁師のかたも増えてきており、1次産業の生産性向上に、衛星の持つ広域性という特徴が貢献できる好例と考える。
ここまで
最近、燃料代の高騰による漁業の苦しみがあまり報道されていないのは、こうしたことが背景にあるのかもしれない。
実際は最近燃料代下がっていますからそれが大きいでしょうが・・・
===================
iPS細胞の山中伸弥教授の前文から
師匠だったトム・イネラリティ先生が言った忘れられない言葉がある。
「シンヤ、僕たちはこうして今、動脈硬化を抑制する薬の研究を一所懸命やっている。
しかし、僕は自分のしていることが本当に人類のためになっているのか、実はわからない。
自分たちの研究によって、動脈硬化、心筋梗塞を減らすことができるだろう。
でも、それが達成されると、社会は高齢化していく。
これは、社会全体として本当にハッピーなのか、疑問に思っている」
ただ、そのとき私はまだ若い研究者で、「それは政治家が考えることでしょう。僕たち科学者には関係ありません。僕は一所懸命に研究します」といったことを覚えている。
それから20年経ち、iPS細胞の研究が広がっていく現状を見て、その師匠の言葉を改めて痛感している。
- 日本未来図2030 20人の叡智が描くこの国のすがた/日経BP社
- ¥2,160
- Amazon.co.jp