インド初代首相ネルーが投獄中に娘に出した手紙を集めたもの
第7巻は、副題の中東・西アジアにも言及しているが、それより良かったのが、
第一次世界大戦のその後の影響についてだった。
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ヴェルサイユ講和条約はドイツ国民に大きな衝撃を与えたが、
これが反動派によって、かれら自身の利益のために利用された。
この条約によれば、ドイツは軍備を削減され、そして、わずか10万の小軍隊を維持することを許されただけだった。
その結果として、表面的には軍備は削減されたが、実際には大量の兵器が隠匿されることになった。
巨大な「民軍」、すなわちそれぞれの党派に所属する義勇軍、が発生した。
保守派の国民義勇軍は「鉄兜団」と称され、コミュニストの労働者義勇軍は「赤色戦線」と呼ばれた。
ここまで
ナチズムはナチスが軍部を支配していたし、ファシズムも似たようなもんだった。
党が軍部?と思っていたが、その一端がわかった
問題は、この義勇軍のコストを誰が払っていたのか?というところだが・・・
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1924年から数年間は、ドイツも賠償金を規定通りに支払った。
ところで金もなく、素っ裸のドイツに、どうしてそんなことができたのだろうか?
ほかでもなく、アメリカ合衆国から借金をして支払ったのだ。
連合諸国(イギリス、フランス、イタリアなど)は、アメリカに負債があった。
これは戦争中の借金であった。
ドイツは連合諸国に対して、賠償というかたちで金を支払う義務があった。
そこでアメリカはドイツに金を貸し、ドイツはそれで連合国への支払いをし、
それによって、また連合国は連合国で、アメリカに支払いを済ませる、
という仕組みであった。
これはなかなかたいした名案であり、すべてがうまくゆくように思われた。
実際のところ、そのほかには、支払いを済ませる道がなかったのだ。
いうまでもなく、この貸借のたらいまわしは、ある一点に依存していた。
つまり、アメリカが続けて金を貸すということに。
もしこれが中止されようものなら、この仕組みは根本から崩れてしまうわけだった。
ーー中略ーー
アメリカは、かれらが破産せずに、どうにかやってゆけるように、彼らを助けた。
ヨーロッパが崩壊すれば、ほかにさまざまな悪い結果が生ずることを別としても、
アメリカに対する、一切の債務が帳消しにされてしまうことを、心配したからだ。
ーー中略ーー
けれども数年たつうちには、さすがのアメリカも、この貸与を継続する政策に疲れてきて、それを中止した。
突如として、賠償と債務関係の体制が一挙に根本から崩れ、支払いは履行されず、ヨーロッパとアメリカの諸国民は泥沼に落ち込んだ。
ここまで
これは世界恐慌と関連があるのだろうか
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1912年から1927年までの15年間にアメリカの国富総額は1872億3900万ドルから、4000億ドルに跳ね上がった。
1927年の人口はおよそ1億1700万だったから、一人当たりの富は3428ドルにあたるわけだ。
ここまで
平均年間5%強の上昇