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「再軍備」の軌跡 読売新聞戦後史班

この本は結構ためになりました。

歴史の授業だと、警察予備隊→保安隊→自衛隊になる、ぐらいしか書いていないが、

その過程でも非常に多くのことが起きている。

 

戦後、軍部は解体されているが、各地に散らばった軍人の復員作業を担当するために、復員省が設けられている。

陸軍省は第一復員省、海軍省は第二復員省に、その担当大臣は首相が兼務している。

 

防衛大学の前身にあたるであろう、保安大学校は、募集定員400人に対して、1万2923人が応募している。

授業料がただで衣食住の保証+小遣いも支給という好条件が人気の要因の一つだったという。

当初は軍事関係の授業時間が少なすぎて、決裁をもらいに行ったら大橋武夫国務大臣から、「おまえたち、いったい何の学校を作るつもりだ」と怒られたそうで、最終的に軍事関係の授業時間は36%程度になったそうだ。

 

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朝鮮戦争が警察予備隊の、講和条約と日米安保条約が保安隊の生みの親とすれば、

自衛隊の生みの親はMSAである。

MSA (Mutual Security Act=相互安全保障法)は、前項でもふれたように米ソ冷戦の産物で、

アメリカは西側陣営強化のため援助を行うが、援助受け入れ国はその見返りとして軍事的義務を負う、というのが、その内容である。

吉田内閣がこのMSA受け入れを決めたことにより、「国内の治安維持」を主任務としていた保安隊、警備隊の性格改変が当然の課題として持ち上がり、

直接侵略に対抗する自衛隊への改組にと進むのである。

 

 

 

 

 


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