最近話題のパナマ文書に絡み、宮崎哲弥さんがこの本を紹介していたので借りてきた。
この本によれば、世のタックスヘイブンの現況はスイスにあるようだ。
昔から、スイスの銀行は第二次大戦中、ナチスであっても顧客情報は漏らさない、という絶対的な信頼感がある、という風に言われていた。
多くのユダヤ人がナチスから逃れるために資金をスイスの銀行に預けていた、とも
そんな噂から、ゴルゴ13然り、様々な映画・本などでスイスの銀行は登場する。
第二次世界大戦中のスイスが担った役割を明らかにするための委員会が調査をした結果、
この噂は完全なるでっちあげであることがわかった。
そもそもナチスが戦争を仕掛ける前から、ヨーロッパ中の大金持ちがスイスの銀行に金を預けていて、
ナチスドイツが戦争を始めてからのスイス銀行への資金流入は多くなかった。
現在のパナマだとかヴァージン諸島だの資金の多くはこのスイスの銀行から、あるいはスイスの銀行を介在していることがわかっているという。
この本の中で、著者はタックスヘイブンとされる国に対して経済制裁を課し、
情報の透明化を図らせる必要がある、と言っている。
ただ、私はそれには懐疑的だ
というのは、全世界が同じようなことをすればいいのだが、どこかが経済制裁を課さなければそこを通じて資金が流入すると思うから
たとえば、フランスがスイスに対して貿易制裁を課したとして、フランスとスイス間の物・金のやりとりがスムーズにならなかっとすれば、ドイツとかベルギーとか他の国を介在するように考えるだろう。
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両大戦間期のおもな顧客はフランス人だった。
たとえば当時、資産管理部門で最大の規模を誇っていたクレディ・スイスについてみると、
この銀行が管理する外国人資産の内訳は、フランス人のものが断然多く(43%)、
スペイン人(8%)、イタリア人(8%)、ドイツ人(4%)と続く。
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