この本は、日本が第二次世界大戦に突入し、(おそらく)敗戦に至るまでの歴史小説
第2巻は真珠湾攻撃から、ミッドウェーの敗北により戦局が変わるところまで
第1巻はここ
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そこから数キロ離れたホノルルの領事館では、喜多総領事がちょうど一通の電報を受け取ったところだった。
現情勢に鑑みて、戦艦、空母および巡洋艦が港内に在泊することがきわめて重要である。
今後できるかぎり、これを毎日報告されたし。
真珠湾上空に阻塞気球を上げているかどうかまたはこれを上げるため、なんらかの兆候がないか電報されたし。
また戦艦には防雷網を整備しているかどうかも知らされたし。
この電文は、誰が読んでも、真珠湾攻撃への警報だと見抜けるものだった。
ハワイで傍受された電文の写しは、解読のためワシントンの解読がかりの手元に送り届けられた。
しかし内容がハワイについてのもので外交には関係がないという理由で優先扱いにされず、
解読されないまま、誰かの受信籠の底の方に放り込まれてしまった。
ここまで
少なくとも、(アメリカ側)日本の暗号はこの時点で解読することができていたこと
(日本側)真珠湾攻撃のことは極秘ではあっても軽々にほかに伝えていたこと
がわかる。
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