この本は、環境行政の第一線で働いていた著者の仕事の歴史
戦後の日本の環境行政がどのように進んでいったのかが描かれていて興味深い。
この方は医師の資格を持っていて、保健所の医師としてスタートしている。
そして、当時(今もかも知れないが)保健所の医師の地位と仕事が一般の医師と比べて蔑視されることが多いことを悩んでいた。
この理由として彼があげているのが、
1.十万という人口を対象として行うことで、おおざっぱな役所仕事とみられる
2.誰でも平等に扱うという対応が、医師と患者の個人的関係のなかでは、患者からあまりまんぞくされない
3.集団検診で実施される医学技術は最先端ではない
4.無料または低廉な価格により「安かろう悪かろう」のイメージがまとわりつく
5.ときに見落とす、という誤りに対する不信
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