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日本、遙かなり 門田隆将

明治時代にトルコのエルトゥールル号が沈没してそれを救助した日本

イラン・イラク戦争時にテヘランに残された日本人を救うために飛行機を飛ばしてくれたトルコ

 

この本はこれまでにないくらい、この2つについて(特に後者)詳しく述べられている。

半分ぐらいがこの内容で、残り半分は日本がいかに海外の日本人を救出できないのかについての事例が述べられている。

 

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当時の駐イラン公使(ナンバー2)の高橋さん

 

「それは、いざというときになると、”日本政府は頼りにならない”ということです。

非常に言いにくいけれども、あえて言わせてもらいます」

日本政府は頼りにならない、日本大使館のナンバー2に面と向かってそう言われたら、普通の人なら面食らうだろう。

しかし高橋は、真顔だ。

そして、真意をこう説明するのである。

「それは、日本政府というのは何も出来ない、日本国からは飛行機は飛んでこない、ということです。

いざというとき、他の国からは救援機が来るけれども、日本からは来ません。

いや、来られません。

私たちは一生懸命やるけれども、そういう態勢になっていないんです。

だから、救援機を当てにしないで、普段から、自分でいざというときの努力をお願いします」

ーー中略ーー

「たとえば、他の国では、エマージェンシー(緊急事態)になったら、やってくるパイロットは皆、軍人なんですよ。

通常のフライトはキャンセルされて、全部、特別便にして軍人が操縦してくるんです。

決して、民間のパイロットではありません。

しかし、日本の場合は、自衛隊の人が海外に出ちゃ行けない、ということがあり、そういうことがまったくできないんです。

だから、救援機と言っても、終わった後の平和なときに出すことはあるかも知れませんけれども、戦争のときに出すなんてことはないし、そもそも、発想がないですよ。

そのことを、私はテヘランに赴任してきた商社やメーカーの方々にお伝えしていたんです」

 

 

 

 


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