失われた20年と呼ばれて久しいが、果たして「失われた」のかいなか
というのが一つのこの本のテーマ
様々な分野に分けて検証しているが、すべてにおいて失われているわけでは当然ない
強化された分野もあるが、
一般的に失われた、といわれているのは「経済」に関してである。
その点で、この本が経済に関してきちんと書かれているかというとそうでもない。
政治家の政策論にばかり論点があって、
日本企業の組織であったり、マクロ経済政策についてはほとんど言及されていない。
そういう点でこの検証はあらが多い
結局のところ朝日新聞主筆が編集であるので、朝日新聞が取り上げるようなネタが多い。
私はそもそも経済の面で「失われた20年」とあるが、これが完全に「過去」として捉えるのは早計だと思っている。
まだ過去として捉えるには、日本が新たな道を模索している現状では時期尚早に思えるから
20年の最初の10年、企業はそれまでの日本的企業のあり方に固執していた。
後半の10年は、他の欧米企業のあり方を取り入れようとしてきた。
そして、現在はいずれにも問題があるとわかってきていて、自らの道を探し始めているという段階だろう。
企業によってその道が全く異なる。
トヨタのようにずっと前からそのままではいけないと思って改革してきた会社もあれば、
迷走に迷走を続けて今に至る電機メーカー等もある(ソニー、シャープなど)
結局誰かのやっていることをまねるだけでは上手くいかない。
もがいて自らの手で改革を行い、前へ進んだもののみが勝ち残れる社会になっているのかもしれない。
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