- フランス革命を考える (岩波モダンクラシックス)/岩波書店
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それを知りたくて借りたのだが、その疑問は全く解決せず
ただただ苦痛な本でした
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フランスのような国においては、第二次世界大戦後、
左翼が文化的には支配的な立場を占めてきたのだから、
右翼の批判よりも左翼の批判の方がはるかに重いというようなことではない。
それよりもずっと重要な事は、右翼がソ連や中国を非難するには、
自分たちが受け継いできた遺産のどの要素にも手を加える必要はないという点である。
右翼にとっては、反革命的思考の内側にとどまっていればそれでよい。
ところが左翼は、右翼のそれと同じ時期に生まれた信仰体系
をおびやかすようなデータと正面切って立ち向かわなければならない。
だからこそ左翼は、正面切って立ち向かうのをこれほどまで長い間嫌がってきたのである。
今日もなお、左翼がその悲劇の歴史を問題にするよりはむしろ、
その確信の楼閣をあちこちで繕う方をしばしばこのむのはそこに原因がある。
しかし、これは結局はどちらでもよいことだ。
肝心なことは、20世紀共産主義の実験がつくりだした事実すなわち災厄について、
左翼が、自分自身の価値という視点から、
考察を加える事をひたたび認めてしまったからには、左翼の教養は、
みずからのイデオロギーや解釈や希望や合理化を批判する方向に導かれる、
ということなのだ。
まさに左翼の教養のうちで、歴史と大革命とのあいだに距離が置かれる。
というのも、左翼の教養こそが、大革命の約束の中に歴史がまるごと存在する。
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フランス革命が、少なくともその初期においては(どの革命についても同じことだが)
あれほどてんでバラバラで統制の取れていない抵抗に出くわすのも、
打倒される前に旧制度はすでに死んでいたからである。
もろもろの革命を特徴づけるのは、まずもって、くずれゆく権力の弱さであり孤立である。
ところが、革命史の英雄叙事詩的再発明もまた革命の特徴になる。
そこから、貴族=ヒドラという怪物を革命側が再構成する事態が生じた。
反対側から社会的価値の再定義をつくりあげる。